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こども応援ひろば2018 PART 1

早朝に台風12号が東から西へと関西を通過した7月29日、交通機関の乱れなどの影響はありましたが、こども応援ひろば2018 PART 1とオープンキャンパスを無事に開催することができました。

こども応援ひろばでは、こども学科4年次生が中心となって、親子が楽しめる催しを企画・運営しています。ビュンビュンゴマ・スーパーボール、魚釣り、輪投げ、ストラックアウト(的当て)・紙鉄砲、割り箸鉄砲(射的)、ボーリング、変身体験といった催しを用意して、来場するこどもたちに楽しんでもらうことにしました。

今年は、こども学科1年次学生も、受付、駐輪場案内、催しの手伝いといった形で参加しています。写真と、1年次学生の感想を紹介します。

教室に集合して、説明をうけます。

魚釣りと割り箸鉄砲(射的)の準備完了です。

魚釣りが盛況です。ボーリングに挑戦する子どももいます。

紙鉄砲やストラックアウト(的当て)の遊び方を子どもに教えるこども学科の学生の姿です。

1年次学生の感想をいくつか紹介します。

「こどもと触れ合う中で、こどもたちに興味をもってもらうのが大変でした。いろいろ工夫して興味をもってもらったときは嬉しかった。」「 いろいろなこどもと触れ合って、いろいろな性格のこどもがいたので、どんな対応をしたらよいか勉強になった」「こどもたちが笑っている姿を見て嬉しかった。」

こども学科に入学してから、実習基礎セミナー授業で幼稚園見学をしましたが、実際に子どもと触れ合う初めての体験です。9月からの幼稚園運動会・バザーのサポートに向けて、学生が自分の課題を見つける機会になりました。

プレ実習オリエンテーション

この1ヶ月、地震、豪雨、猛暑で、例年になく厳しい日々が続いています。ここ数日の暑さは、外に出るのが嫌になるほどですが、普通に交通機関が動いて、普通に大学に通えることをありがたく感じます。当たり前のことが滞りなく行われることは素晴らしいことです。

さて、今年度から開講された実習基礎セミナー授業も、教室での授業は本日が最後となりました。本学科の卒業生でもある、附属幼稚園の名倉先生による、プレ実習のオリエンテーションが行われました。

プレ実習というのは、文字通り、本当の実習の前に行う短期間の実習です。資格・免許を取得するために必要な本当の教育実習・保育実習をする前に、実習基礎セミナー科目で短期間の実習を体験して、本当の教育実習や保育実習に備えようというものです。学科全体が、附属幼稚園の運動会をサポートする班と、バザーをサポートする班に別れ、それぞれ授業4回分に相当する実習をします。

名倉先生からは、事務的な注意と心構えの話がありました。名倉先生が1年次の学生に対して強調していたのは、人として当たり前のことをきちんとやるということでした。挨拶をすること、勝手な行動をとらないこと、話をきくこと、こういった当たり前のことをきちんとやることで、実習先の先生、園児、保護者との良好な関係を築き、周囲から応援される実習生になるということです。

当たり前のことをきちんとやるというのは、急にできるようになるわけではありません。学生は9月からのプレ実習に備えて、今から習慣づけていかなければならないでしょう。夏休みの大きな課題が与えられたといえます。

1年次学生は、7月29日のオープンキャンパスの日に、こども応援広場のサポートをしますが、その活動にも通じる話でした。

名倉先生、ありがとうございました。

歴史的快挙への挑戦

第102回日本陸上競技選手権大会が終わりました。

こども学科の川田朱夏さんの連日の活躍がありました。女子400mで優勝、翌日の女子800mでは3位です。積極的に先頭を走った3位であり、記録も去年の1位のタイムより速いという立派なものでした。報道によると、400mと800mの二冠を狙っていたようですから、素晴らしい意気込みですね。ただ、連日のレースは過酷だったようです。

実はこの二冠をとるというのはとんでもなく難しいことなのです。過去の400mと800mの優勝者をみてみましょう(画像をクリックしてください。公式サイトの情報を元に筆者が作成したものです)。

400mと800mの二冠は昭和47年が最後なのです。もし、達成していたら歴史的快挙でした。

 

園児との出会い

本日6月20日の実習基礎セミナー授業は、東大阪大学附属幼稚園での見学でした。 いつもの教室に集合し、雨の降る中を少しだけ移動して幼稚園に到着です。この日のために準備した実習用の服装、靴、名札を身に着け、メモ帳を持って見学に臨みます。

まず、体育館で園長先生のお話を聞きます。2才までと3才の違いや父性についてなど、幼稚園の役割を学びます。用意したメモ帳も早速活躍します。

続いて、園児たちの部屋での様子を見学です。こども学科の卒業生でもある附属保育園の名倉先生の案内で園内を巡ります。見学後のレポート提出もありますから、名倉先生から聞いた話を思い出しつつ、しっかりとメモをとります。

学生たちに興味津々の園児がいます。ニコニコ笑顔でこちらを見てとてもかわいいですね。

続いて七夕まつりにむけて練習する年中クラスの見学です。

最後は、年長クラスの作法の時間の見学です。くつをきれいに揃えて畳の部屋にあがり、座る、立つ、お菓子を運ぶ、待つ、食べる、感謝するという流れでの礼儀正しい振る舞いを学ぶ様子を見ました。教えてもらう園児につられるように姿勢を正す学生もいます。

大学の教室に戻り、見学後レポートについての説明を受けて終了です。午前中の時間を使い、見学時間は1時間ほどでしたが、貴重な体験となったのではないでしょうか。どのようなメモをとったのか、学生に提出してもらいましたが、メモ帳10ページ以上記録した学生もいます。かわいくて感性豊かな園児を前にして、学生も自分たちがやらなければならないことを強く意識したのではないでしょうか。見学後のレポートも楽しみです。

今後、先生と呼ばれる仕事を目指す学生にとって、学んだり体験しなければいけないことは沢山あり、しんどいこともあるでしょう。そんなときは、先週の名倉先生の話と今日の園児たちの笑顔を思い出して、前に進んでほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

卒業生から1年次生へ

こども学科の今年度からの新しい取組として、1年次対象の「実習基礎セミナー」が開講されたことを以前このブログでお知らせしました。附属幼稚園での見学に向けて、様々な準備・学習を実習基礎セミナーで進めてきましたが、今日は附属幼稚園の教諭である名倉先生から、心構えや注意点についての説明がありました。こども学科の1期生である名倉先生から後輩に向けて、見学の話のみならず、大学生活や卒業後の話など、貴重なアドバイスをいただく機会となりました。

見学時の心構えやポイントについて、非常に分かりやすく説明されていました。見て分かる気づき、聞いて分かる気づき、子どもの気持ちになってみることで分かる気づきがあることを伝えていました。大学生活でのアドバイスとして素晴らしいと思ったのは、今、学んでいることを学んで良かったと思うことが将来必ずあるから、今はなぜ学ぶのか分からなくても学ぶことが大事だということです。「こども学」を学ぶことは幼稚園や保育園の現場で働く人以外にも必ずプラスになります。そして、学びを怠ることなく、時間を有効に活用してアルバイトをしたりボランティアを体験することが大事だというアドバイスもありました。

1年次の皆さんは、卒業生からのメッセージをしっかりと受け取って、あとに続くことができるでしょうか。私も楽しみにしています。

4月のまとめ

さて、いろいろあった4月なのに、このブログを全く更新しておりませんでした。

ということで、4月のまとめをお届けします。あふれんばかりの情報から、必要なものを選んで記録するのが本来の「まとめ」ですから、4月の数多くの投稿から「まとめ」をつくるのが筋というものですが、ご容赦ください。

新入生を迎えました

4月といえば、新入学生です。オリエンテーションや宿泊研修など、様々なイベントがありました。こども学科の新入学生は62名、オリエンテーション期間を経て、大学での学びをスタートさせています。宿泊研修は、毎年恒例の大和高原ボスコヴィラで行っています。こども学科も、しっかりと研修しています。自分の目指す姿と、そのために何をするべきかをグループで語り、発表する研修や、上級生に学ぶ研修もありました。

新しい先生を迎えました

新しい先生を迎えています。こちらもごらんください。

アドバイザーとゼミ担任による新指導体制がスタートしました

昨年度まで、1年次と2年次は学科を2つのクラスに分けており、クラスアドバイザーの先生が学生指導をしていました。今年度から、1年次と2年次は、クラスをさらに4〜5のゼミに分け、ゼミ担任の先生による指導も行っています。全体的な指導と個別指導を丁寧に行なう体制となりました。これまで以上に、先生に気軽に相談しやすくなっています。前述の宿泊研修でも、ゼミに分かれたグループ活動するなど、共に学ぶグループが入学時から機能しており、新たな試みは順調にスタートしています。

実習基礎セミナーが始まりました

少人数ゼミがスタートしたことに加えて、1年次対象の新たな授業科目「実習基礎セミナー」も今年度からスタートしています。こども学科のほぼ全員が、保育実習、教育実習など何らかの実習を行います。各実習には事前指導の科目がありますが、全ての実習に共通する内容を、実習基礎セミナーで学びます。90分の授業は前半の全体への説明と後半のゼミ活動からなり、教員全員が学生全員を指導する授業となっています。

 

年度更新

平成29年度が終わろうとしています。キャンパス内で最も学生が少ない時期です。東大阪大学での1年目が終わろうとしている筆者も、昨年のこの時期に引越荷物を運び込みました。この時期はキャンパスに学生が少なく、一見穏やかですが、人の動きや新年度に向けての準備が激しく行われている時期でもあります。

3月22日の卒業式とその後の祝賀会は全学科合同で行われました。全学科合同でこのような行事ができるのは、うちのいいところですね。

それにしても、桜の満開がキャンパス内に学生が最も少ない時期になってしまったのは残念です。卒業式にも入学式の間になってしまいました。

以上、今年度最後のブログでした。次年度もよろしくお願いします。

大学生なら卒論を (7)

卒論紹介最終回です。午前9時から始まった発表会も、これから紹介する最終グループが発表するころには午後4時をまわりました。

水野圭貴(渡邉由ゼミ)       「餃子の王将の経営理念『全従業員の幸せの実現』について」

自らが働く餃子の王将を題材とした研究でした。従業員対象のアンケートをとって、その結果に基づいて店舗の職場環境を改善しています。平日と土日の時給を変えるなどでシフトが回るように改善したという報告もありました。

1店舗の状況を改善したというのは大きな成果ですね。同じアンケートを、より多くの店でやって同じように効果がでるということであれば、アンケート項目が非常にうまくできているということが言えます。多くの飲食店共通の従業員対象アンケートと改善方法ということであれば、これは飲食店経営者が誰でも欲しがる貴重なものになるはずです。働き方に関する議論が活発な昨今ですから、今回の一例をきっかけにして、より普遍性のあるものに拡張することをだれかやってくれたらと思います。

森田悠太(梅田ゼミ)「なぜ絵本には虫や爬虫類が描かれるのか」

絵本にはたくさんの動物が描かれます。子どもにとって、他者を意識させることが簡単だということが理由としてあります。そのため、イヌやネコなど人間が身近に触れ合うことができる動物が多く登場します。しかし、あまり身近ではない爬虫類が描かれていることもあるため、なぜ爬虫類を登場させるのかについて考察した研究でした。

動物絵本に出てくる爬虫類(ヘビ、カメ、トカゲ)がどのような存在で、何を伝えようとしているのかを分析しています。主人公が嫌なことや怖いことに遭遇したときや、会ったことも話したこともない他者に出会ったときに爬虫類は効果的に描かれているそうです。爬虫類は他の動物との比較の中でかかわりあうことで、重要な役割を果たしていると考察しています。

子どものお話に登場する爬虫類というと、個人的には、人間が爬虫類に姿を変えられてしまうような場面が、漠然とした嫌な記憶になっています。イヌやネコに変えられてしまうのに比べて、とても嫌な感じがします。嫌われるもの、身近でないもの、人間とはかけはなれた他者にされてしまうというのが、子どもの私にはきつかったのかなと、この卒業研究を聞いて思い出してしまいました。

山本克範(梅田ゼミ)「公園の砂が発する放射線」

東大阪市各地の18か所の公園に行き、放射線測定器RADEX1706を用いて、真砂土のグラウンドの上1mで放射線量を測定した研究でした。年間換算値は平均1.2mシーベルト/yということで、関東の自然放射線量より3~6倍高く、西日本各地にあるモニタリングポストよりも有意に高いそうです。福島の放射線汚染地のグラウンドと同じ放射線量をもっているということですから、驚きの結果です。

2011年の原発事故以来、放射線量が多くの人に認識されるようになりました。放射線量という量が科学的に理解しにくいため、テレビ等でも、間違えた理解を声を大にして発表する有名人もいました。この研究の目的の一つが、通常の状態を測定しておくことで、災害時に比較できるようにしておきたいというものでしたが、非常に重要なことだと思います。科学的リテラシーを向上させることで、いい加減な報道や声が大きいだけの有名人に惑わされることなく判断できるようにすることが大事です。

米川瑞希(吉岡ゼミ)「乳幼児期の子どもの育ちから乳幼児期の教育を考える」

乳幼児期の知識詰め込みが学力向上に繋がるのかをテーマにした研究です。乳幼児期の教育とは何かを大学のこども研究センターでの実践を通じて考察しています。乳幼児といっても、月齢がちがうだけでもかなり違いがあります。こどもたちを14日間観察し、乳幼児期での研究とは、「子どもが自然に生活の中で学ぼうとしていることを確認しながら、その刺激となる環境を用意することが必要であること」あらためて確認できたそうです。したがって、遊びを作り出す保育者の働きかけが大事ということになります。

興味深いテーマですが、実際に知識の詰込みをされた子どもを観察するというのは難しいですね。知識の詰込みをやらせたがる保護者は、うちのこども研究センターには子どもを連れてこないでしょう。こども研究センターで知識を詰込むわけにもいかないですしね。その意味では、これはとても難しいテーマなのです。こんなことをするのがいい教育ですよという研究は、自分がよいと信じることが正しいかを証明する研究になりますが、こんなことをしても意味がないですよという研究は、自分が意味のないと思っている方法を率先してやるわけにはいきません。ここに教育に関する研究の難しさがあります。どちらの方法がよいのかを試すときに、悪い方法で学ぶ学習者を誕生させることになってしまいます。

渡部天龍(渡邉由ゼミ)「色彩心理が人に与える影響―人は色をどう感じ取るのか―」

色彩心理が人に与える影響について、インタビューを実施して考察した研究です。インタビューでは、好きな色、その理由を聞き、購買意欲を高める色について分析しています。しかしながら、一度まとめた後で、色彩を考えるときに、日本だけで考えてはいけないことに気が付いたそうです。

どの色が見えるのかということは生物にとって重要な能力です。人間の目は色彩をとらえる能力も、細かなところをみる能力も優れています。食べ物が食べても大丈夫なのか、人間はまず見た目で判断できます。見た目で大丈夫であれば、においを嗅ぎ、においが大丈夫であれば、食べてみるという順序でしょう。色の識別は食べ物の選択につながります。ですから、購買意欲が色で決まるというのも、人間が何かを選択するときに色を大きなキーにしていることの現れだといえます。その意味では色と人間の関係を日本だけで考えてはいけないという考え方はよいのではないかと思います。

欠席者はなく、全員が発表を終えました。

大学生なら卒論を (6)

卒論紹介も残り2回です。

西村和香奈(芝﨑ゼミ)「ストレスに強い人と弱い人のちがい ―強い人はどのように対処しているのか―」

ストレスに強い人と弱い人の違いとは何か、ストレスを持っている人がどのくらいるか、対処法などをインタビュー調査した研究でした。ストレスに対しては強い弱いという捉え方よりも、どのように考え向き合っていくかがポイントとのこと。ストレスに対して自分なりに免疫をつくれる人が、いわゆるストレスに強い人ということになる。ストレスは消えないし、なくならないものなので、無理して無くそうとしないだけでも心が楽になると、インタビューから結論づけています。それにしても、このインタビュー結果の一番おどろきだったところは、調査対象12人から、ストレスに弱い人が見つからなかったということ。多くの人が、ストレスあるけどなんとかしているということなんでしょうか。

濱野吾郎(梅田ゼミ)「働きアリはなぜ卵を生まないのか」

女王アリは巣に1匹しかいないのに、アリの巣はものすごいスピードでふえていることに疑問を感じて始めた研究です。トビイロケアリで飼育実験を試みたところ、1ヶ月でなんと全滅。外にいる働きアリを捕まえてきたものの、外の働きアリはおばあさんアリだというのが原因のようです。中にいる若い働きアリを捕まえてきて再度飼育実験。その結果、働きアリだけであっても卵を産み繁殖したそうです。女王アリがいなくても繁殖するにも関わらず、女王アリがいるのはなぜかという考察では、女王アリがいる方が効率的であることを挙げていました。女王アリはオスメスの産み分けもでき、働きアリに役割を与えることで効率よく繁殖できるそうです。働きアリが巣にもどれなくなったとき、最初は女王アリのいない特殊な巣になりますが、オスアリが来ると、交尾によって女王アリが作り出されて、本来の巣に戻るということです。

身近にいる昆虫を題材にしても、まだまだ興味深いことができますね。動物に発信機をつけて位置情報を取得することで、動物の新しい生態が分かるということがありますが、アリは、その小ささ故に、他の動物と同じような方法が使えないところが面白いところです。

福田潤一(渡邊ルゼミ)「『ONE PIECE』における「子ども時代」の意味」

ONE PIECEでの、ルフィ、エース、ナミの子ども時代について紹介し、作品におけるその意味を考えるという研究です。子ども時代はそれおれの夢につながっていて、その夢が成長してからも変わっていないところが作品の魅力になっていると分析しています。

いわゆる大作において、人物を掘り下げていく手法として、過去を描くということがあります。朝ドラや大河ドラマでは、その人物の子ども時代から始めていくやり方が当たり前です。漫画などでは、完全に時間順にするわけではなく、後から過去について描くこともあります。その過去と、現在に差を持たせることで、その人物のターニングポイントがあったことを示唆することもあります。

より多くの作品を対象にして、長編漫画での時間の流れについての分析なども面白いのではないかと思いました。

藤田剛志(梅田ゼミ)「犬の殺処分を無くす方法」

ドイツでは殺処分がゼロ。日本ではどのようにしたらゼロにできるのかについての研究でした。ドイツでは犬の大きさに対して、動ける範囲や窓の大きさなどもきめられていて、ペットショップがないそうです。飼いきれなくなった犬は、将来的な譲渡を目指して保護され、毎年1万匹が新しい飼い主へわたるようです。日本とドイツの根本的な違いとして、ドイツでは自然は人間が管理するものであるという考え方があり、日本は自然をコントロールできないという自然観がある。この自然観があるため、出生の段階での規制よりも、保護施設に預けられた犬の出口を広げることが大切であると考察しています

自然に対する人間の考え方は、国単位でも違いますし、日本であれば地域毎にもかなり違うでしょう。桜島などを見ると、毎日これ見て生活している人は、そうでない人には持つことのできない自然観を持つのだろうと思います。逆にいえば、他の国の文化を理解するためには、その国の自然観を理解することが必要だと思わされる、興味深い発表でした。

松澤謙希(潮谷ゼミ)「ノーマライゼーションの基本的考えとその拡がりについて」

この研究では、ノーマライゼーションの概念に関わる3人を分析し、ノーマライゼーション思想について述べ、そこから生まれた思想として、インテグレーション、ソーシャルインクルージョン、ピープルファースト、バリアフリー・ユニバーサルデザイン等について述べています。最後に、日本での地域包括ケアシステム構築のために、ノーマライゼーションの実現が求められているとしています。

バリアフリーは、既に多くの人に浸透している言葉だと思いますが、そこに至る思想の流れなどは意識したことはありませんでした。ユニバーサルデザインも、学生に対して説明することがありながら、その源流には知らず、自分の不勉強さを痛感させられる発表でした。

松田賢太(渡邊ルゼミ)「『のりもの絵本』の世界―〈仕事〉が教えてくれるもの─」

のりものが擬人化された「のりもの絵本」について分析した研究でした。 働くということに触れることができる、海外や日本の乗り物絵本を紹介していました。最も有名なものはきかんしゃトーマスのシリーズで、多彩な生きたキャラクターによりリアリティのある世界感が描かれているとしています。タイプの異なる同僚の存在などは、確かに現実社会と同じですね。

様々なのりもの絵本の共通点として、読み手の「創造性」を刺激すると分析していました。自然と仕事や働くことを描き、失敗や成功に触れることができるため、失敗を負の方向に解釈して創造性を封印してしまうことを防げると考察しています。

確かにのりもの絵本は印象に残りやすいですね。国が違っても同じように機関車の擬人化が行われていたりしますから、仕事をする機械を擬人化するということには、世界共通の意義があるのかもしれません。思い入れのある機械の話をするときに「この子は…」みたいに話す人も多いですよね。

今日はここまでです。次回は卒論紹介最終回です。