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「こども学科SDGs宣言」実践レポート 環境教育編

2019年6月,こども学科は,「こども学科SDGs宣言」を宣言しました。「こども学 for SDGs」をキーフレーズに,こども学・臨床教育学・文学・音楽・情報教育学・ユニバーサル教育・教育学・保育学・発達心理学など多岐な学問領域でSDGsの実現に向けた取組を展開し,こども学の枠組みで,SDGsの実現を目指すというものです 👆Click

自然科学関連の一般教養科目「水と環境」という授業を担当しています。「水と環境」では,「生物多様性」「外来種」「SDGs」「パリ協定」「COP」「WEPA:Water Environment Partnership in Asia」「水質保全」「地球温暖化問題」「ヒートアイランド現象」「遺伝子組み換え作物」「環境問題を軽減化する資源・エネルギー開発」「環境に対する企業・NPOの取り組み」などに関する授業を実施しています。SDGsのグローバル目標では,目標4,目標6,目標7,目標9,目標7,目標11,目標12,目標13,目標14,目標15,目標17が該当するでしょうか。

        
        

次代は,社会の急激・急速な変化や,Society 5.0など新たな社会像構築の模索が世界中で目指され,世界情勢の大変革期の時代とされます。そのような社会で生きる上で,オープンエンドな課題や解決策が不明な課題に対して,解決策を案出し,実行できる力の育成が要請されています。

「こども学科SDGs宣言」の実践として,「水と環境」の授業で,SDGsカードゲームの方式を取り入れ,「地球環境を護るために自分たちができること」をテーマに,課題解決策の提案をするという課題に,学生に取り組んでもらいました。

学校・メディア・AIなど24のキーワードの中から,フリーの抽選ソフトを使い,4つのキーワードをランダムに選出し,それらを必ず入れて,テーマの課題解決策の提案をするPPTファイルを制作する課題としました。これは,SDGsカードゲームで,現在の環境問題に対する解決策を提案するにあたり,複数の限られた解決策を使用して解決策を考えることの求めに応えることで,オープンエンドな課題や解決策が不明な課題の解決策を案出することで,問題解決スキル習得に役立つことを期待してのものです。

こども学科2回生の提案を紹介します。この学生には,スマホ・花・スポーツ・音楽のキーワードが割り当てられ,次のような提案をしてくれました。

    

‟ICT幼児教育のこども学科”を目指して‼? 科学PPT絵本制作

環境教育関連の一般教養科目として,「水と環境」という授業を担当しています。本授業の課題として,「地球環境保護を教える科学PPT絵本」の制作・発表に学生が取り組みました。

道徳・倫理を教えるのが絵本,道徳・倫理を基礎にしながら,科学的な内容の理解を伝えるのが科学絵本です。例えば,絵本は,お祭りで買ったカメを捨ててはかわいそうなので,捨てないようにしましょう。科学絵本は,お祭りで買ったカメを捨ると,在来種のカメの生育環境・エサを駆逐し,生態系に影響を与えるので,捨てないようにしましょうというようです。

こども学科の2回生のグループが制作した科学PPT絵本を紹介します。

       

大学の授業がOn Lineで実施されている中,グループのメンバー同士メールで連絡を取り合い,先ず話し合って地球環境問題に関するテーマを選び,ストーリーを考え,分担を決めてペイントで絵を描き,PPTスライドに絵を挿入し,テキストボックス等で文字を入れ,共有ドライブにULし,科学PPT絵本を完成させたと話していました。

‟ICT幼児教育のこども学科”を目指して,といえば大げさすぎます。そもそも,ICT教育ともいえないレベルですが,幼保教育のICT化への対応を考慮して,学生にこの課題に取り組んでもらいました。

2021年,教育界は大きくICT化へ動きます。幼保系の現状は,手書き文化であり,ICT化が必要なのか?と思われると思いますが,現状の社会・教育界の動向から,幼保系でICT化が早急に進む可能性も十分に考えられます。

先進的にICT化を進めた職業教育を実施して行くことが,本学科の特徴・特長であると考えます。そのための一助となればと考えています。

命の大切さを伝えるPPT絵本制作 by附属高校生

こども学科には,キャッチ・コピーがあります。「育もう いのちを見つめる やさしさを」です。「脳と心」という一般教養の授業で,大学生と来年度入学する附属高校の生徒が合同の授業を受講しています。「脳と心」の授業で,こども学科のこのコピーを基に,命の大切さを伝えるPPT絵本の制作に取り組みました。

先ずグループで話し合ってストーリーを考え,分担を決めてペイントで絵を描き,PPTに絵を挿入し,テキストボックス等で文字を入れ,PPT絵本を完成させるという課題です。本年度の高校生は,次に紹介するようなPPT絵本を制作してくれました。

作品①:ドングリから芽が出て,生育する過程の困難さに耐えながら,やがて大樹に成長する姿に,命の大切さを伝えるというようなストーリーの作品です。

 

作品②:赤ちゃんが生まれ,健康に成長することは,決して当たり前のことではなく,多くの危機を乗り越え,大切に育まれる一種の奇跡のような過程を経たものであることから,ひとつしかない命の大切さを伝えるというようなストーリーの作品です。

 

絵の出来栄えは,ペイントでの制作に馴れていないとはいえ,ギリ C評価 というところでしょうか?? ストーリーは,上手くできていると思います

初め,高校生たちは,グループワークに馴れずなかなか上手く進めることができていませんでした。大学生たちは,「ルーティーンです」 と言っていたように,スムーズにグループで話し合い,役割分担を決め,制作に取り掛かっていました。さすがに,一日の長があると,高校生たちも驚いていました。このような場面を見ると,大学生たちの成長を感じます。さすが,お兄さんお姉さん。良い見本になっています。

来年度入学すれば,違う高校出身の同級生や,年上の先輩たちとグループワークをする機会が多くあります。また,幼稚園・保育園・小学校などに就職すると,自分より10歳20歳年上の同僚とグループワークをしたり,担当クラスをリーダーとしてまとめたりもしなくてはいけません。この授業を通して,大学での授業はどのようなものであり,大学生たちはどのように課題に取り組んでいるのかを直接体験して感じたこと・知ったことが多少なりともあったと思います。そのようなこともこの授業の目的の1つのように思います。

高校生たちは,普段とは違う環境・雰囲気の中,よく頑張ったと思います。たいへんよくできました。