カレーライス 着替え・アイロン 車いす おはし・鉛筆 生活支援

令和最初の投稿は、1年次の実習基礎セミナー科目の授業風景からお届けします。

   

 

いろいろな場所でやっていますが、全て同じ授業時間中に撮影したものです。少人数ゼミに分かれて学んでいます。この日の授業は、生活支援の体験です。施設実習を学ぶ学生が苦労するのが、生活支援です。これまで、保護者の方にやってもらっていたようなことを、自分ができるようにして、実習にのぞまなければいけません。

 

この時間は、小学校や保育所も想定して、様々な体験をしました。①教室の子どもへの挨拶のしかた、②乳児の着替えやオムツ替え、③車椅子の使い方、④アイロンがけ、⑤子どもの見本となるおはしや鉛筆の持ち方や蝶結びのやり方の確認、⑥調理の基本(カレーライスの作り方を知っているかの確認)、⑦掃除の基本、を少人数ゼミのグループ単位で順番に経験しました。

来週の授業時間も使って、7つ全てを体験し、自分の日常をどのように変えて実習に備えるかを考えます。

平成最後の日に今年の4月だけの振り返り

平成最後の日になってしまいました。

平成2年に大学に入学した筆者にとって、平成は家族(同じ家に住んでいる人)の人数が6→1→2→3→4と変化した時代でした。住所も何度か変わっています。昭和はずっと家族の人数が6で(5の時代がありましたが、記憶にはありません)、住所も同じでしたから、変化のない時代だったと言えます。

世の中、平成の振り返りで溢れていますが、このブログでは、この4月だけを振り返ります。昨年も、4月にブログの更新を怠り、月末にまとめてお伝えしています。今年はそうはなるまいと気をつけていたにもかかわらず、同じことになってしまいました。なかなか人は変われないものです。

それでは、4月の振り返りです。

  • 新しい学生を迎えました

4月の楽しみは、新しい人との出会いです。今年のこども学科は新しい教員を迎えておらず、新しい学生との出会いへの期待が大きい年でした。オープンキャンパスや入試で見たことのある学生もいます。見たことのある顔を入学式で見かけるのは嬉しくなるものです。

  • 宿泊研修に行きました

4月11日と12日は1年次学生の宿泊研修です。これまでにないメッセージ性の強い研修にしようということで、教員一人ひとりが新入生に対して自分の思いをぶつけてみました。どの教員も、自身の体験に基づいた、自分にしかできない話をしました。一人ひとりの話は短くても、10人以上の先生が話ますから、かなり長い時間になりましたが、新入生はきちんと聞いてくれていました。私達もそれに応えなければいけないという思いを強くしました。

3年次学生2名と4年次学生2名を迎え、新入生によるインタビューを行うという企画も行いました。最初の挨拶ではやや固さが見られた先輩も、インタビューでは、自分の思いを後輩にきちんと伝えていました。

研修は、夕食後も続き、翌日のバーベキューまで充実したイベントとなりました。

  • 「大学で学ぶ」と「キャリアを考える」を担当しています

こども学科だけの取組ではありませんが、1年次必修科目「大学で学ぶ」、2年次必修科目「キャリアを考える」では、学生が様々なテーマに対して論じる練習をしています。日本の作文教育に染まってきた学生を、論文の世界に導くために重要な科目です。今年から、筆者も担当の一人になりました。学生にとっては、添削者が増えたことで、様々な意見をもらうことができるようになりましたし、私にとっても学生の新たな一面をみる良い機会となっています。両科目の様子も、今後このブログでお知らせします。

以上、4月の振り返りでした。

令和の始まりがもうすぐそこです。

年度更新

今年度最後の投稿です。

3月22日に卒業式および卒業記念祝賀会があり、今年も多くの学生を送り出すことになりました。筆者の東大阪大学歴も2年となり、昨年に比べると、卒業生との関わりは深くなってきています。どんな社会人になるのか楽しみです。

そして、4月2日には新入生がやってきます。今年は桜のタイミングも合いそうですね。数日前に、大阪よりも桜の開花が早い東京に出張で行ってました。今年は桜を2度楽しむことができそうです。

新年度もよろしくお願いします。

大学生なら卒論を(2018年度 その5)

卒業研究紹介の最終回です。5人紹介します。

村山ほのか(渡邉由ゼミ)「幼児期における『どろんこ遊び』の必要性」

大阪市内の「どろんこ保育園」の園長への聞き取り調査や、文献、インターネット上の資料の分析をしています。各年齢におけるどろんこ遊びの変化についてまとめています。どろんこ遊びは、手の感覚の発達に必要であり、遊びの中で学ぶことがたくさんあるそうです。可塑性のある遊びが幼児期に最適であるとのことです。個人的には、粘土遊びとの違いについて知りたいと思いました。

山田晴二(渡邊ルゼミ)「こども達にとって紙芝居とは〜保育における演じ方〜」

季節行事に関連した紙芝居が多いことに着目し、七夕行事の紙芝居「たなばたのおはなし」「なぜ、七夕にささかざりをするの?」を比較しています。男女がひきさかれた要因や、人々が願い事をするようになったこととの関係の有無などに違いがあることを報告しています。物語の面白さそのものをメインとするものと、七夕行事の意味を知って保育活動につなげるものがあるということです。クリスマスの由来について書かれている「いちばんはじめのサンタクロース」では、ただプレゼントをもらうのではなく、クリスマスが優しい心に答えるという特別な行事であることがわかるような話になっているそうです。
紙芝居は画面の抜き方など、演じる時の工夫も必要であり、保育活動へのきっかけとにつながる紙芝居では、聞く力、考える力も身につくとまとめています。
今や、子どもでもYouTubeを見る時代ですが、そんな時代だからこそ、紙芝居の存在感が際立つように思いました。

山田美空(渡邉由ゼミ)「浜崎あゆみの歌詞と幼少期の関係性」

全ての歌詞を自身で作詞している浜崎あゆみの歌詞の変遷に注目し、ネガティブな歌詞が多いことと、自身の幼少期と関係があるのかについて考察しています。浜崎あゆみに関する文献には、浜崎あゆみが、父親が出て行ったときを鮮明に覚えていることが記されているようです。歌詞を3期に分けて、その変遷をたどっています。幼少期の体験もみられる第1期、やめられないから歌手をつづけていく第2期、歌がすきでファンのために歌っている第3期となり、全てが幼少期と関係あるわけではないことが分かったようです。
浜崎あゆみが世にでたとき、ここまでの歌い手になるとは、私は全く予想していませんでした。そのころから浜崎あゆみを推していた友人は慧眼であったと、しみじみ思います。

吉田美優(渡邉由ゼミ)「食物アレルギーのある子どもが生きやすい社会とは」

こどもの食物アレルギーが増えているという調査結果があるようです。学校給食では誤食事故があり、5年生の女児が死亡することなどもありました。学校現場では「学校生活管理表」を提出していても、学校側が間違えたりすることで重篤なアレルギー反応が起こっていることから、免許・資格をとる段階での食物アレルギーについての講義に力を入れることが、食物アレルギーのある子どもが行きやすい社会であると結論づけています。
事故を起こさないためのしくみを作っても、結局は教育が大事だというのは、どの世界でも同じなのだなと感じます。

宮崎大地(渡邉由ゼミ)「こども食堂「こもれびカフェ」に関する研究—利用者が求める非日常性とはー」

全国的に広がりをみせている「こども食堂」について、どのような取り組みが行われており、なぜ広がりを見せているのか、実態や利用者のニーズ、子どもへの影響を調べる研究です。学生自身がボランティアで参加している「こもれびカフェ」の運営者へのインタビューや利用者のアンケートに基づいて分析しています。
「こども食堂」は貧困家庭の子どもや、子どもが一人で食事をする孤食に向けた対策として民間発の福祉サービスとして始まったが、「こもれびカフェ」は、「子どもと保護者が一緒になって絵本をゆっくりと読めるような時間を作れるように。」という願いがあり、「子育て支援」に重きを置いて活動をしていることに注目しています。運営者の想いと利用者のニーズが一致していることが分析結果から分かったようです。

卒業研究発表会の報告は以上です。まもなく卒業式が始まります。

大学生なら卒論を(2018年度 その4)

卒論研究発表会の続きです。昼休みをはさんで、午後も発表が続きます。今回も5人分紹介します。

チャンティ トゥイ ズオン(渡邊ルゼミ)「ベトナム北部サパの子どもの生活」

ベトナムのサパの少数民族の子どもの様子についてのフィールドワークです。サパの人々の暮らしを文献で調べた後に、観光客相手に行商をしている女性や子どもへの聞き取り調査を現地でしています。 学校に行っていない子がいるなかで、生活のために観光客と話をして、英語がペラペラになっていく子どもの存在などを報告しています。観光によって、大人は仕事があるが、子どもの状況はよくないので、将来はサパの子どもたちを助けたいという思いも発表していました。

冨森政輝(潮谷ゼミ)「障害者虐待の現状」

障がい者虐待は多様で、法の定義でカバーできないという問題点に注目しています。2012年に「障がい者虐待防止法」が施行され、守秘義務よりも通報義務に重きをおくようになっているようです。相談通報の届け出内訳として、事業所職員16.8%、設置者・管理者9.9%、相談支援専門員9.3%というように、本人や家族以外からの通報も多いことが分かります。
施設内における障がい者虐待の要因としては、仕事に忙殺されることで人権感覚が削られてしまったり、施設が閉ざされた世界であること、障がい者の意思決定支援がないことなどがあるようです。また、障がい者虐待防止法自体の課題もあるそうです。障がい者を分けて教育することにより、距離感を生じていることも問題だと指摘しています。
分けて教育することによる距離感というのは、私も思い当たる節があります。通っていた小学校のとなりは特別支援学校(聾学校)だったのですが、一緒に遊ぶことはないだろうという印象を持っていました。教室の中が健常者だけというのも逆に不自然だと思います。聴覚障害の学生の卒論指導をしたこともありますが、同じ学部の同期生(300名弱)の中で最もよい卒業論文を完成させましたし、ゼミの他の学生も大いに刺激を受けていました。分けずにやることは確かに困難さを伴いますが、得るものも大きいと感じます。

長野城也(渡邊ルゼミ)「岸本 斉史『NARUTO』論ー師弟・仲間・成長ー」

ナルトがイルカ、カカシ、自来也、ミナトから学んだことをまとめ、サスケとナルトの違いを、サスケには復讐心がある。ナルトには見返してやりたいという心があると分析しています。一方で、師弟、仲間、家族に共通していることは「愛」であり、NARUTOが教えてくれることは、家族のいるありがたさや、絆の深さ、つながりを通して人が成長していくことだと分析しています。
この研究も、こども学で学んだことをもっと活かして議論を深めてくれたら、さらに面白いものになるのではないかと思います。

松本綾希(渡邊ルゼミ)「『智恵子抄』論 〜本当の愛とは一体〜」

「智恵子抄」は高村光太郎が一人の女性を思い描いて書いています。各章における光太郎の思いは、智恵子が精神の支柱から永遠的存在となり、幸せにつながる様子が記されていますが、相手の魅力を見出し、自分の生きる糧にして、詩に結実させたとまとめています。会場からは、二人の愛は、恋愛や夫婦愛にとどまらず、障がいを持つ人を支えるやさしさや愛情に通じるものではないかという質問もありました。

宮崎美奈歩(渡邉由ゼミ)「面前DVの背景と対策」

子育ての「あたりまえ」とは何かという考えから、この研究にたどり着いたようです。「面前DV」とは、児童が同居する家庭における配偶者への暴力であり、児童にいちじるしい心理的外傷を与える言動を行うことだそうです。子どもへの影響や、DV防止法のどのような点が不十分なのかなどを報告していました。会場からは、加害者に対するアプローチや、近所でのDVを感じたときの対応などの質問があって盛り上がりました。

大学生なら卒論を(2018年度 その3)

卒業研究発表会の続きです。面白いテーマも多く、卒論完成時を出発点にして、さらに進めたらよいのにと思うものもあります。しかし、就職して仕事をはじめたら、仕事と無関係のことに時間を費やすことは難しくなりますから、ほとんどの学生が、この卒論がゴールとなります。少し残念ですね。それでは、5人分紹介します。

赤土優太(潮谷ゼミ)「乳児期における虐待死の現状とその原因」

虐待死の死因や乳児虐待の要因について分析しています。やはり、望まない妊娠と若年出産が大きな問題であり、結論としては、児童相談所の改善は必要だとしています。48時間以内訪問のルールが守られないなどの問題点を解決し、養育環境の改善を目指さなければならないようです。会場からは、具体的にはどのような取り組みからやるべきかという質問あがあり、まず、児童相談所の専門員を増やすことと回答していました。会場からは、親の就労状態にももっと注目したらよいという意見があり、議論しました。

庄山秀人(杉本剛ゼミ)「たばこが人にあたえる害についての研究」

受動喫煙防止法の認知度等、受動喫煙に着目した研究です。受動喫煙により、乳幼児突然死症候群のリスクが10倍になることなどの問題点や、受動喫煙防止法が2018年に制定されたにもかかわらず認知度が低いことなどを問題視しています。アンケートから、副流煙についての知識はあるが、受動喫煙防止法は知らない喫煙者が多いことがわかりました。法律の内容を喫煙者に認識させることが重要だと結論づけています。会場からは、法律は、個人の行動ではなく、施設に対して制限をする法律ではないのかという質問がありました。法律で制限するのは施設だが、認知度が拡がれば個人の行動にも影響があると考えていると回答していました。
法律と人の行動の関係の面白さを考えさせられる研究です。法律違反になるからやらないのか、法律違反かどうかと関係なくやらないのか、自分自身の行動を振り返っても、この2つがあると思います。この研究の通り、法律が認知されることで、個人の喫煙にも影響力がでてくるとよいと思いました。

杉田優(渡邊ルゼミ)「人生における出逢いと転換期 −冨樫義博『HUNTER×HUNTER』の闇と光−」

キルアの姿をおいつづけて、そこに描かれている出会いと転換期を分析する研究です。キルアは家族の呪縛があり、ゴンと出会えて家族からはなれることができたそうです。さらに、イルミからの針をつかった物理的な呪縛も解き、完全に呪縛を解放されて前に進むことができました。親に決めれた人生が楽しくない中で、友達の果たす役割、呪縛を乗り越え自由を手にしたという話を、今の子供が読むことで、キルアと一緒に自分自身の成長プロセスを体験することができると分析しています。会場からは、論文のタイトルにある「闇と光」とは具体的に何かという質問があり、やりたいことができないという意味での闇、冒険を通して呪縛を解くことを光としていると回答していました。
自分の行動を縛るものが、何かあるかと考えてみたくなる研究です。

竹中優汰(渡邊ルゼミ)「組織の中の家族 〜『NARUTO』より、〈弟〉うちはサスケの選択〜」

感情の抑揚が少なくあまり表にでないサスケがおこなった選択と背景を分析する研究です。サスケは、人を信用することができないために、感情に屈折があり、自分の考えがまとまっていません。しかし、ナルトたちを家族とみるようになったように根底には家族を思う姿があり、それを元に答えを探します。家族のことを捨てずに想い続けているサスケの姿が読者を惹きつけるとまとめています。
家族について述べる中で、こども学科ならではの視点があれば、もっと面白いものになるのではないかと感じました。

田伏美雪(高岡ゼミ)「嘘は見破ることができるのか」

嘘と欺瞞の違い、なぜ嘘が見破られにくいのか、についての研究です。表情への感情のあらわれは、1/25秒しかないそうで、これも嘘が見抜けない要因になっているとのこと。人の嘘を見抜くのが得意かどうかのアンケートを実施し、映像を見たときに話し手が嘘をついていたかどうかを見破っていたかどうかとの比較を行っています。アンケートで、見破るのが得意とした人が嘘を見破っていたわけではないく、嘘を全部見破れたのは女性だけだったという面白い結果が出ています。会場からは、勘違いも嘘に分類するのかという質問がありました。勘違いや虚言癖のような無自覚なものも嘘になるということです。
無自覚なものも嘘ということになると、年を重ねるにつれて勘違いが増えたら、嘘つきになっていくのでしょうか。心配になってしまいます。

大学生なら卒論を(2018年度 その2)

卒業研究発表会報告の続きです。最初の5件の発表を終え、発表を終えてほっとした表情の学生と、次第に迫る自分の順番を緊張して迎える学生の違いが見られるようになってきます。こういうものは早く終る方がいいですよね。私も、できるだけ早い出番で発表を終えたいタイプです。

長田拓也(渡邊ルゼミ)「漫画『ばらかもん』を読む〜『島』での出会いと成長〜」

漫画「ばらかもん」における島での出来事が主人公へ与えた影響についての考察です。考え方を変えた言葉として、「どうぞお先に」に着目しています。人工物にあふれた世界ではない環境の中で、一位しか認めないという考え方が変わり、書道も変わっていったと分析しています。
漫画の登場人物の言葉が読者に与える影響は大きいですね。ブログの著者も、かなり影響を受けているという自覚はあります。主人公に与える影響がそのまま同じように読者に影響を与える言葉となるのかなど、気になります。

     
加藤健太(渡邉由ゼミ)「男性保育士の現状と課題ーいかに働き甲斐があるのかー」

保護者に十分に受け入れられていない男性保育士のやりがいについて、男性保育士2名の聞き取り調査をもとに考察した研究でした。約2時間のインタビューを実施しています。保護者との距離を近づけていくために、子どもの様子を話すことの大事さを意識していることなどが判明したようです。保護者との信頼関係が働きがいになっているのは明らかでしょう。会場からは、経験年数がやりがいにつながる面があるのではないかという指摘がありました。男性ならではの課題をはっきりさせて後輩に伝えて欲しいという要望もありました。
こども学科は、男女比が1:1くらいですが、実際に保育所に就職すれば、男性の割合が低い職場で頑張らなければいけません。男性保育士が保護者との信頼関係を深めていくためのやり方を掴んで欲しいと思います。

    

河南仁(潮谷ゼミ)「高齢者とレクリエーションについて」

高齢者施設でのレクリエーションの思想、方法、課題についての研究です。レクリエーションが、こどもっぽい、つまらないといった指摘があり、どのようなレクリエーションがよいのかを考えることは重要です。高齢者レクリエーションの目的は、身体機能の維持、認知症予防、コミュニケーションの活発化、生きがいの創出等様々です。平均寿命と健康寿命の差は男性9年、女性12年ですが、これを少なくしていくことにも繋がります。要支援・要介護状態にならないためのレクリエーション、団塊の世代にあったレクリエーション、高齢者だけでなく障がい者も合わせた分野横断的支援に合わせたレクリエーションが、課題解決のキーワードだと結論づけています。
会場からは、具体的にはどのようなレクリエーションがよいのか、良い事例はないのか、ゲートボールなどはどうなのかといった質問がありました。コミュニケーションが活発化するように、協調性のあるもの、協力してやるものがよく、ゲートボールなどはよい例だと回答していました。

   
桑木敦史(渡邊ルゼミ・矢島指導)「テキストマイニングによる形式別司会者能力の可視化」

テキストマイニングを用いた研究には様々なものがあり、話した内容の分析からテーマを抽出したり、子どもの話し合いが成長と共にどのように変わっていくかなどの研究もあります。この研究では、テキストマイニングと対応分析によって、話し合いの発言者と用語をマップ上に配置することで、司会者の能力を可視化できないかということに注目して分析しています。まだまだ課題は多いですが、司会者の能力を、公平性、統制力、展開力から分析できることを示していました。会場からは、言葉にあらわれていない内面についてどのように考えているかという質問がありました。言葉として記録されているものだけでは、司会者の能力の分析としては不十分かもしれませんが、今回はそれには触れないでやっているという回答でした。
私自身が関わった卒業研究ですので、いろいろ書きたいことはありますが、ひとつだけ記すならば、発表者自身がこちらの与えた論点について常に深く考えてきたことが、面白い結論になったということです。

     
西古真実(潮谷ゼミ)「若年出産の問題について」

若年出産の問題点や支援体制についてまとめています。今後の対応として、性教育の在り方、妊娠・出産・育児の環境改善、妊娠出産育児の情報提供、妊産婦の不満と不安への対応、親になるための移行期に必要な技能の習得を挙げています。
同じ仲間に対して教育をするピア・エデュケーターの活動も重要としています。
ピア・エデュケーターを軸とした横断的なテーマの研究というのも面白そうだと感じた研究でした。

今回はここまでです。

大学生なら卒論を(2018年度 その1)

卒業式まで、あと9日となりました。5回シリーズで、こども学科の卒業研究発表会の報告をします。卒論は学生生活の集大成です。こども学科の学生が何を学んできたのかをお伝えします。

青松昂希(高岡ゼミ)「ゲーム依存と引きこもりとの関係について〜大学生の調査から〜」

ゲーム依存の引きこもりの関係を大学生の調査から調べた研究です。引きこもりの人たちは何をしているのだろうかという疑問をもち、スマートフォンの存在が引きこもりの要因ではないかということについて考察しています。
ゲーム依存は、2018年にWHOで疾病分類に取り上げられ、定義もされています。それを参考に62名のアンケート調査を実施しています。しかしながら、62名のアンケート調査では結論づけるのは困難ですが、ひきこもりとゲーム依存の相関関係や有意差はないという結果だったそうです。いかにも関係がありそうなものに、関係がなかったというのは興味深い結果です。

飯川拓実(渡邊ルゼミ)「キャラクターショーにおける『ヒーローの在り方』」

学生自身の経験に基づいた、キャラクターショーにおける工夫や配慮についての分析です。こどもたちには本物として写っていること、テレビでしか見られない憧れが目の前にあることを意識してやらなければならないそうです。声は役者の声に近い人を選んだり、シークレットブーツ、詰め物などで体を見栄えをよくするなどの工夫があるそうです。一方で、素面をさらしてしまったり、面間違いなどは決してしていけないミスということです。ヒーロー番組は、子どもたちに、友達と共通の話題を与え、正義感や仲間意識が芽生えるというメリットがある一方で、玩具の単価が高く家庭に負担を与えるというデメリットがあることも指摘していました。会場からは、大人の層の人気についての質問があり、2007年の仮面ライダー電王が、大人の層の人気上昇のきっかけとなっており、大人であってもヒーローとして対応する重要さを説いていました。
テレビの画面でみることと、キャラクターショーでみることの本質的な違いは何かと考えさせられる発表でした。「テレビでしか見られない憧れが目の前にある」ことも感動的ですが、「ショーで見たもの(会ったことがあるもの)がテレビに出ている」驚きもあると思います。ショーとテレビの順番の違いが子どもに与える影響なども気になります。

池下晃司(潮谷ゼミ)「知的障がい児の教育現場における生活支援について」

特別支援学校による児童発達支援の位置づけから、「自立活動の6つの区分」と「合わせた指導」に着目し、今後の方向性について論じています。教職員の専門性の向上を目指すことが大事であり、特別支援学校教諭免許状の取得率を上げること、障がいのある者の教職員の配置、指導主事に対する効果的な研修の3つの方向性を示していました。「自立活動の指導」では、中軽度の知的障がい児の教科教育とのバランスがとれていないことを問題点として挙げています。
会場からは、知的障がい者への具体的な働きかけについて質問があり、生活場面を念頭においた指導をすべきだと、回答していました。

泉屋香奈(潮谷ゼミ)「障がい者支援施設における職員困難」

職員の困難について、どのような問題点があるのかを述べています。バーンアウト症候群をかかえて離職する人が増えているという事実があるようです。一方で、利用者に対する職員の虐待などもあるということで、難しい問題です。今後の改善のためには、プリセプター制度や給与の改善が有効だとまとめています。
会場からは、実習の経験が研究を進めるにあたってどう反映されているかという質問がありました。利用者は職員を家族と思っているので、気持ちをよりくんであげることが大事だということを分かった上で、研究を進めたそうです。
実習が職業経験だけにとどまらず、卒業研究に取り組む際の思想につながっているのはよいことですね。

奥田祐大(潮谷ゼミ)「バリアフリー新法の現状と課題」

バリアフリーとは、歴史的には1974年に国連がバリアフリーデザインを発表したのがきっかけだったそうです。その後、ハートビル法、交通バリアフリー法が統合したバリアフリー新法が2006年に制定されています。この新法には、施策の拡大・充実を実現、地域連携の強化・促進、ハード面・ソフト面の強化促進という3つの見直しの方向性があり、2018年に改正されたそうです。それでもまだ課題はあるということで、バリアフリー法の施策不足を挙げていました。施策会議を開催しても決議されず予定で終わってしまうそうです。健常者と障がい者の溝がまだ深いのでなんとかしたいという想いも発表していました。

 

2019年度に向けて

3月になると、多くの学生の実習期間も終わり、学生の姿は少なくなります。人が少ない時期だからこそできることもありまして、パソコン室のPCの更新や、部屋の空調の工事など、次年度の学習環境を着々と整えているところです。そして、4月から入学する新入生を迎えての入学前セミナーが、各学科で行われるのもこの時期です。3月4日〜6日の3日間、こども学科では11人の教員によるリレー講義・演習が行われました。参加者は、入学前から学科のほぼ全教員を見ることができ、多くの先生から、メッセージをもらうことになります。

教室での講義「大学でこども学を学ぶ―子どもと生きる大人になるために―」(渡邉由之先生)とグループ活動「異文化コミュニケーション ―英語のトラストゲーム―」(杉本孝美先生)の写真です。

そして、卒業式の日も迫ってきました。明日から卒業式の日までは、4年次学生を送り出すシリーズとして、卒業研究紹介をしていこうと思います。

東大阪市民文化芸術祭

東大阪市民文化芸術祭を訪ねた先生からこども学科学生が活躍する姿の報告がありましたので、紹介します。
 3月1日(金)~3日(日)の3日間、東大阪アリーナで開催されている東大阪市市民文化芸術祭に、こども学科2回生が造形作品を展示しています。
 授業「こどもと造形Ⅱ」では、松村和代先生御指導のもと、学生それぞれが創意工夫をこらして、「球体オブジェ」「紙版画」「線表現」による作品を仕上げました。繊細な色と線の交錯を楽しめる作品です。
 また、本日2日(土)午後15時10分頃から、舞台で本学ダンス部Sepi-ahの大学・短大学生がダンスを披露しました。
 学生たちは、授業・クラブを通して地域社会との交流を深めています。