実践保育学科では、保育中に生じた事故などの問題も勉強します。どのような状況下で、だれに、どのような法的責任が認められるのか、保育を行う人にとって重要な問題です。今回は幼稚園のお泊り保育中に起きた事故を取り上げます。
四国のある幼稚園の話しです。年長のこども達を川遊びさせていたところ、急に増水が起こり、園児の一部が流され1名が亡くなり、他の園児が負傷した事案です。園長、主任教諭、本件お泊り保育担当の教諭が訴えられ、園長の刑事責任が認められました。
園側は以下のように主張しました。「川で水遊びをさせる際の急な増水の具体的な予見は無理である。本件事故前数日間の降水量はそれほど多くなかった。当日の午前中に降雨はあったが、それ以後は青空が見える晴天で、大雨注意報も洪水注意報も出されていなかった。平成4年からはほぼ毎年この場所で(お泊り保育を)行っているが、川が急に増水したことなく、本件付近を同様に利用している他の団体等も救命具は用いていなかった。上流域の降雨量の情報を入手することは困難である。当日も20~30分かけて下見をしている。1名の園児に対し、8名の教諭が担当している.水遊びの際はさらに上流と下流に1名ずつ教諭が立っていた」等です。
裁判所は以下のように述べました。「遊泳場所が晴れていても、上流域の降雨により遊泳場所付近で増水することは一般にもある程度知られている 。特に教諭たちはこの地域に居住している。河川の安全についてはインターネトで容易に情報を入手することができる(本件幼稚園にはインターネトに接続されたパソコンがあった)。本件活動場所には深い場所があることはこれまでのお泊り保育や下見で認識可能であった。もともと園児には深い場所があり少し水位が上昇すれば園児が流される危険性の認識はあったはずだ。園児たちの泳ぐ能力を考えるとライフジャケットを用意していなかったことも問題である(ライルジャケットの必要性はインターネットツ通じていれば認識は容易であった)」等です。そして安全配慮面の責任者の園長の刑事責任を認めました。立場によって、物の見方は大きく異なります。
近年の裁判はこれまでの慣行や一般的社会の見方に基づいた判断ではなく、科学的な知見、情報などに基づいた判断を重視するようになっています。インターネットで情報がとりやすい現代は情報を入手していなければ、過失認定される可能性が高くなっています。皆さんも将来、こども達を連れて園外で活動する場合は気をつけて下さい。
月別アーカイブ: 2020年12月
11月9日~11月20日まで、幼稚園教育実習に行きました
実習先の幼稚園やこども園は、母園であったり、自宅から近い距離であったりしますが、学生が実習したい園を選択しました。
この時期は、ごっこ遊びの活動中で、それぞれ目的に合った遊びに必要な道具やものを制作しています。
学生は、幼児の一緒に作ったり、手伝いをしたりします。
「先生 一緒に遊ぼ❕」
「先生 見て見て‼」子どもたちの人気者になっています。
本物さながらの、綿菓子とたこ焼きだそうです。 たこ焼きは、たこ焼き機もあり、実際に焼いている様子もうかがえます。
そのほか、絵本の読み聞かせをしたり、手遊びをしたり等、経験させていただいています。
学生の感想
・「先生遊ぼ」って、誘ってくれます。とてもうれしいし、かわいいし、楽しいです。
これから始まる就職活動等について、今日の学びを思い出し、実践できることを願っています。そして、近い将来には、自然な形で行動ができる「人」になってくれることを強く願います。
・2週間だったけれど、子どもの成長が見れてよかったです。
担当の先生に、いろいろ助かったよって言われて、うれしかったです。