A day in the life

今回の連載のテーマは「生活」です。生活と言えばこれしかありません。

”A day in the life”

Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band の最後を飾る曲です。 今から50年以上前の1967年発表の曲ですが,今聞いてもカッコイイです。

ネット新聞読んで,寝坊して,急いで駅に向かったり…,50年以上経っても,世界中で歌詞の主人公と同じような生活が営まれています。

写真は,最近の私の a day in the life を盛り上げてくれました。「なんかおもしろいことないかな」と思いながら毎日の生活を送っています。

 

新年度❣第一弾企画『学び』第1回「生活」

皆さん こんにちは 介護福祉学科教員の山田です。今回のテーマは,「生活」です。

大辞林によれば,「生活」を「①暮らしていること、暮らしていくこと②暮らしをささえるもの(松村、1988ː1369)」としています。私たちの暮らしは,起き上がる,顔を洗う,友と語らうといったことの積み重ねが,時間とともに,その暮らし(生活)が人生へと繋がっていきます。

さて,私が尊敬する方のお一人に出口治明氏がいます。出口氏は,元ライフネット生命社長であり,現在は,APU(立命館アジア太平洋大学)学長をされておられます。なぜ,生活というテーマで出口氏を取り上げたかです。出口氏の生活は,2021年1月9日を境に変化したからです。出口氏は,福岡のホテルで脳卒中のため倒れたのです。そして,右半身麻痺と失語症の症状が残り,福岡の病院,東京のリハビリテーション専門病院,自宅での訪問リハビリにより,2022年3月下旬の1年3カ月かけて現場復帰されたのです。出口氏は,病気発症当初から「学長への復職」を希望していました。そして,具体的に,出口(2022:41)は,「講演が出来るようになりたい、一人で生活できるようになりたいと伝えた」としています。この内容は,とても明確な目標ですね。

当初,リハスタッフ(2022:108)は,「これだけ高い目標を持ってあきらめに姿勢の人をまだみたことがありませんでした」と述べているように,驚き,戸惑いがあったことが推察出来ます。

しかし,出口氏のリハビリに真摯に向き合う姿勢,落ち込まない性格・考え方,家族の支援により,リハスタッフは,言葉のリハビリに多くの時間を割く提案をし「全体構造法」という方法に関する学習を並行して行い,その方法でのリハビリに取り組んでいったです。また,出口(2022:175)は,「このリハビリの方法を学会で症例報告していくことで,他の先生方から助言を得た」としているように,患者と専門職が協働型支援を行ったことが推察されます。このような一連のリハビリの日々は,出口氏にとっては,長い道のりであったことでしょう。それを支えたのは,出口氏が歴史を含めた教養を身に付けることを大切にしてきた生日々の生活と感じております。

「美しい」の一言に尽きます。

最後に、出口氏の紹介されているマルセル・プルーストの言葉で締めくくります。

「真の発見の旅とは、新しいい風景を求めることではなく、新しい見方を得ることだ」を紹介しています。専門家,歴史から学び,その内容を実践していくこと,それが,人生であり,「生活」なのでしょう。

私たちには,日々,ロールモデル,学問から学び、教養を磨き,実践していくことで,他者の生活を支えるケア(介護)を専門性と人間力による伴走型支援へとつなげていくことが可能になります。

それぞれの美しい未来を❣創造するために。

介護(ケア)を学ぼう。

カンバック。生活を支えるために・・・

文献

出口治明(2022)『復活への底力』講談社.

松村明(1988)『大辞林』三省堂.

誤報。「鹿用介護ベッド開発に着手!」はガセでした!

4月1日に発表した鹿用介護ベッドの開発ですが,そもそも,そんな企画自体がなかったようです。

担当者が「らいん」と「はりー」に謝罪に行きました。

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担当者:この度はご迷惑をおかけしました。

らいん:なんか変だと思ってたんだよね。でもさ,そもそも俺ら鹿は高齢化してないし,藁のベッドで十分だから。

はりー:あまり気にしなくていいよ。

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ということで,介護福祉学科はヒトの高齢化によりよく対応すべく頑張ってまいります

 

 

介護福祉学科では,2023年4月1日に鹿用介護ベッドの開発に着手しました!

深刻な高齢化が進む鹿社会における課題解決の一助となることが期待されています。

安全かつ利用鹿にも介護鹿にもやさしい,鹿工学に基づく最新の鹿用介護ベッドの開発には,幾多の困難がありますが,高齢鹿とその家族の明るい笑顔を思い描きながら日々開発に携わっています。

鹿用介護ベッド開発に当たり,本学のアイドル「らいん」「はりー」を高齢鹿サポートアンバザダーとしてお迎えし,貴重なコメントをいただいています。

今日は,「らいん」「はりー」と私たちの開発会議での熱い議論の一部をお伝えします。

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司会:本日はお忙しいところありがとうございます。みなさんが理想とする鹿用介護ベッドについてお聞きしたいのですが…。

らいん:やっぱ,リクライニングだよね。人間みたいに高くされちゃうと首が痛くてしょうがねえんだよな。

はりー:そうそう。あと,あの,後ろ足のところ? なんか,びよーんって三角になるやつ? あれ,マジいらないんだけど…。あれって,意味ある?

司会:ああ,あれは,人間の場合,背もたれだけを持ち上げると滑ってしまうため,膝側も持ち上げる必要がありまして…。

らいん:だから,それ俺ら鹿には関係ないよね。俺ら仰向けになんないし。

はりー:あとさあ,頭んとこにある,板? 柵? みたいなの? あれ,何とかしてくんねえ? 角が引っかかっちゃうんだよね。

司会:試作品は,人間工学に基づいた設定となっておりまして…。やはり,やはり細心の鹿工学が重要になってくるというわけですね…。

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議論は尽きないようですが,明るい高齢鹿社会のために介護福祉学科はこれからもがんばります!

 

新連載! むちゃぶり企画最終回「どうぶつ」

2022年の終わりに・・・

皆さんこんにちは

K先生よりバトンを受け継ぎまして,今年最後の介護福祉学科のブログでございます.

2022年も残すところわずかとなりました.

皆さまにとって2022年寅年はどんな一年でしたでしょうか?

どんな困難にも強い気持ちで立ち向かえるような,

気持ちが沸き立つような,感情が高まる時はありましたか?

新しい歳は卯年.大きな耳でまわりの情報を素早くキャッチして,

少しずつでも確実にぴょんぴょん!と前に進んでいける一年にしたいものですね.

介護福祉学科の学生たちは年明け1月の終わりに介護福祉士国家試験をひかえています.

皆がそれぞれの持っている力を最大限に発揮できるよう,私たち教員も一丸となって

学生たちを応援していきたいと思います!!

このブログにご訪問いただきました皆様,どうぞよい新年をお迎えくださいませ

また,来年お会いいたしましょう!!

新連載! テーマむちゃぶり企画 第6回「煎餅」

今回のお題は「煎餅」です。
「煎餅」、パリッ・サクッ・バリッ・ボリッ・・そして良い香り・・と、思い浮かべます。食べ物以外で思いつくものに、煎餅布団があります。煎餅布団(デジタル大辞泉)は、入れ綿の少ない、薄くて粗末な布団、長年使ってぺっちゃんこになった布団という意味など(諸説あり)で「煎餅」が使われています。あまり良い例ではないことが多いです。  ところで、食べ物の「煎餅」、ひらがなで「せんべい」は、日本全国で多くの種類があります。1つの分け方として、関西では、「せんべい」と言えば小麦粉で出来た「(甘い)せんべい」、関東ではうるち米を原料にした醤油味のものが、「せんべい」と呼ばれていましたが、最近では、その違いがあまりみられないとも言われています。実際、生まれも育ちも大阪の友人は、「煎餅とは、お米でできていて練って蒸して焼いてお醤油つけて・・大好き!!」と話しています。
東大阪出身の高齢者が「最近せんべいを食べていないわね。たまには食べてみたいわね。」
というせんべいは、どちらかな、どちらもかな、関東出身の高齢者は・・・そうすると、
関西の人がイメージする煎餅布団と関東の人がイメージする煎餅布団は、違っているのか
なーと思いつつ、高齢者の方との会話は、自分の知らない景色を見せてもらえる楽しい時
間でもあるのかなと思う今日この頃です。介護は、自分の知らない世界を教えてもらえる
授業料の要らない先生であるといえるでしょう。
さて、次のお題は、「動物」です。素敵なI先生、よろしくお願いいたします。

引用 デジタル大辞泉:https://kotobank.jp/word/%E7%85%8E%E9%A4%85%E5%B8%83%E5%9B%A3-551228
参考 其角せんべいホームページ:https://www.kikaku-sembei.co.jp/gallery/different/

新連載❕ むちやぶり企画第5回「日常」

 

新連載!テーマむちゃぶり企画第5回「日常」

今回のテーマは、「日常」です。

大辞林によれば「日常」は、「ふだん、つねひごごろ(松村、1988ː2076)」としています。物や洋服では、ふだん使い、ふだん着と言いますね。それに対して、ハレの日、ハレ着となります。つまり、表彰式の場面など非日常の場面やそのような場面での洋服となります。このことを福祉領域に繋げると足立(2005ː3)のいう「共生」に繋がると言えるでしょう。足立は、「『共生』を仏教思想の基本を示す言葉の1つであり、その意味は、仏教思想の『縁起観』、すなわち、すべて存在するものは、縁に由って存在するものであり、すべては因縁会遇の結果であって、一つとして固体的な存在はない、という考え方に裏打ちされた言葉である」としています。そういう意味では、日常は、過去の日常、これからの非日常を含め、他者とのかかわりのなかで生きていることを再認識させると言えるでしょう。人は、ご縁のなかで活かされていることになります。ともに生きるとは、足立(2005ː3)の言うように、「空間的、時間的」な意味があるという見解に納得がいきます。

このような考え方は、最終的には、「for him(彼のために)ではなく、Together with him(彼と共に)(2005ː3)」の考え方であり、糸賀一雄が言った「この子らに世の光」をではなく、「この子らを世の光に」の思想に共通しています。私たちは、利他的に生きることをつい忘れ、利己的になってしまい、排除の論理で行動する場合があります。

しかし、日本には、季節があり、お墓詣りといった習慣があります。このような紅葉、クリスマス、お正月、寒さ、先祖との対話になかで日常の景色が変化するのです。介護、社会福祉は、そんな日常が病気、怪我、災害、困窮することで、クライエントの生活が変化するのです。福祉専門職には、そのようなクライエントの苦悩、苦しみ、虚無感にどのようにかかわるのかが問われるわけです。

 

支援では、知識・技術が重要です。

しかし、それを支えるのは、福祉観、人間観、福祉マインドです。私も含め、人間は、フロムの言うように未完の存在です。人とのかかわり、ご縁を頂き、お芝居、小説に接するなかで、疑似体験、追体験をし、他者の日常を感じることで福祉職に必要な気づきのアンテナを磨くことに繋がります。クライエントの日常の景色に彩を添えられるような、心と心を通わせた介護は、科学的介護との融合のなかで、創造的に再構築していきたいものです。

皆さん、日常の生活の中に、非日常の時間を組み込んでいきませんか。

具体的には、朝夕の通勤ルートをちっと変えるだけで、道端の草花に出会い、心がやすらぎ、季節の移ろいを感じることになります。日常と非日常は、重なり合って化学反応が起こし、人生が豊かになる気がします。

 

文献

足立叡(2005)『新・社会福祉原論』株式会社みらい.

松村明(1988)『大辞林』三省堂.

新連載! テーマむちゃぶり企画 第4回「日本」

今回は「日本」というテーマでお題が回ってきました。
本学は介護福祉学科をはじめ、留学生も多く、本当に国際色豊かなキャンパスです。
せっかくなので、私が担当している「介護の基本Ⅰ」の学生に「日本」の今のイメージを聞いてみましたところ、以下のようなイメージ像が出てきましたのでご紹介します。
日本の国について
「ゆたかな国」「美しく、清潔な国」

日本の社会について
「駅構内やスクランブル交差点にも、ゴミがほとんど落ちていない」 「高品質でモダンな生生活」「SONYなどがあるので、イヤホンなどの品質が良い」「日本はお年寄りになっても、働いている人が多い国」 「いい人も沢山出会えたし、アルバイトをしながら貯金もできる」「日本は忙しく、リラックスする時間がない国」「ロボットがどこにもあり、便利な国」「駅の多機能トイレなど、サービスが発達している」「社会保障が発達している」「安全」

日本の文化について
「とても面白い」「日本は文化が多い」「ドラえもん」など、人気のあるアニメの発祥の地「昔からの歴史、古墳などが大事にされている」

日本人について
「知らない方でも、手助けをしてくれる」「いつも親切で、他人を助ける」「美しい人が多い」
「時間をしっかり守るなど、勤勉なイメージ」「何よりも仕事が大事だというイメージ」
「冷たい人というイメージがあったが、実際に話を聞くとシャイだけど、親しみやすい」
「フレンドリーな人が多い」「冷たい人が多い」「親切な人が多いが、外国人に対して態度が良くない人もいる」
日本に対して、好意的な意見が多く出ましたが、そうではない意見もいくつか出てきました。
本学の学生の皆さんが、日本で良い体験、辛い体験など、様々な経験をしながら、日本の福祉現場を支えてくれる人財に育っていくことを支えていきたいと、教員として改めて感じています。

次回は、Y先生に「日常」というお題でお願いします!

新連載! テーマむちゃぶり企画 第3回「夕焼け」

今回のテーマは「夕焼け」です。

下の写真は、筆者が撮った夕焼けの風景です。

はじめの2枚は東大阪大学の8号館8階から撮った夕焼けです(一番高いビルが、あべのハルカスです)。

もう1枚は、首都高速の上から撮った富士山と、東京スカイツリー、東京タワー(スカイツリーの左の方にちっちゃく赤く明るく見えるタワー)を1枚におさめた写真です。

最後が、江の島と富士山を映した夕焼けの写真です(筆者は神奈川県出身なので)。

ご覧頂くとわかるように、夕焼けはとても魅力的に感じられます。しかし、一方で、少し寂しい感情も呼び起こすのではないでしょうか。

介護の現場では、認知症の人に「夕暮れ症候群」という症状が現れることがよく知られています。英語でも、Sundown syndromeやSundowningと言われ、午後遅い時間、夕方や夜に、不安や、興奮、焦燥感、攻撃性、徘徊などが悪化することを言います。
研究により、認知症の人における夕暮れ症候群の有症率は2.4%から85%とかなり幅広く、性別や人種・民族による明らかな差もなく、1)はっきりとした原因もまだよく分かっていません。
原因を探る研究は多くなされていますが、大きく分けると生理的、心理的、環境的な要因が考えられています。
つまり、まず生理的要因としては、加齢やアルツハイマー病などによって、一日の生活リズムに関係するホルモンが減少したり(外出が減り、日に当たる時間自体も短縮化したり)、疲労などの不快感が溜まりやすくなったり、薬剤の影響がでやすくなるといったことなどがあると言われています。
また環境的要因として、夕方は、介護者側の疲労の蓄積や、施設における職員の交代で環境が大きく変わる時間帯であることなども影響していると言われています。
さらにいえば、我々は一般的に、夕方になると、家に帰らなければならない、食事の準備をしなければならない、子どもを迎えに行かなければならないなど、心理的・文化的にも、寂しさや、慌ただしさを感じる時間帯でもあります。

このようなことから、認知症の人に夕暮れ症候群が起こることは、理解しやすいと言われているのですが、施設に入居している認知症の人の興奮状態(agitation)の時間的な変化を調査した研究からは、興奮状態は、朝から午後4時頃まで徐々に増加し、その後減少することが明らかにされています。また、朝から夕方にかけての時間帯に、明らかに興奮が増加する人は26%に過ぎないといわれています。さらに、遅い時間に興奮状態が高まるという現象は、興奮状態の高い入居者においてであり、少数派に過ぎないとされています。この結果は、日中の介護スタッフの疲労の蓄積や、シフトチェンジ(勤務者の交代時間)による悪影響という仮説を支持しており、また入居者の疲労蓄積の影響も考えられます。このことから、「夕暮れ症候群(Sundown syndromeやSundowning)」という言葉は、適切でないのではないか、という問題提起もなされていました。2)

臨床的に、とても重要な意味をもつ研究分野として、自分でも取り組んでいきたいと感じています。

次週ですが、S先生お願いします。お題は「日本」です!

1) Boronot, A.C. et al. (2019). Sundown Syndrome in older Person. A Scoping Review. J Am Med Dir Assoc, 20:664–671.
2) Cohen-Mansfield, J. (2007) Temporal patterns of agitation in dementia. Am J Geriatr Psychiatry, 15(5):395-405.