介護現場では、どんな知識や技能があると良いのでしょうか?
もちろん、介護福祉学科で学ぶ技能、知識は必ず必要になるということを前提としたお話です。
これに加えて、このような知識や技能があれば、介護現場で役立ったのではないか?という例を介護現場の事例から、2つほどご紹介します。
まずは「運転免許」。
特にデイサービスでは普通車や軽自動車で利用者さんを個別に送迎をすることもあることから、介護現場で働きたいと考えている方は、運転免許は早いうちに取得しておくことをお勧めします。
ちなみに、私が介護福祉業界に入れた理由は「MT(マニュアル)の車が運転できたから」みたいです。今はMT車は少なくなりましたが、私が介護職員だった1990年代は、施設の車いす用リフトのついた大型の車は、ほぼMT車でした。そのため、当時、私は「送迎車が運転できる男性職員が来た」ということで、かなり歓迎された覚えがあります。ただし、私のシフトは「送迎、送迎、風呂、送迎」(権藤、権藤、雨、権藤みたいですね)で、なかなか忙しい日々でした。
もちろん、今の送迎車はほとんどがAT(オートマ)車で、はるかに運転しやすい仕様になっています。そのため、介護現場では「とにかく安全に車の運転ができる」ということが大切ですね。
つぎに「パソコン」の知識と技能。
介護現場ではパソコンやスマホが使えるということは、とても大きなメリットがあります。以前は利用者さんの記録(ケース記録といいます)は紙に記入し、ファイリングして保管することがほとんどでしたが、最近では、電子カルテやICT機器が福祉施設でも普及しており、介護保険の請求や他施設とのやり取りもデジタルで行うことが一般的になってきました。かくいう私は、パソコンを組んだりばらしたりということが趣味だったのですが、それを施設長に知られてしまってからは、施設のパソコンの管理や広報誌の作成を「焼肉おごるからさぁ~、頼むよ~」と言われて引き受けていました。今から20年以上も前の話です。現在では、個人情報の管理や機器の運用の仕組みが複雑になってきましたので、パソコンやタブレット、そして施設内でのデータ管理は専門業者が入っていることがほとんどです。しかし、たとえばゲーミングパソコンでゲームをすることが好きだったり、自作パソコンを作ったりする技能があれば、介護現場で少しパソコンがトラブルに見舞われたときに重宝されると思います。
※上司や施設長のパソコンにトラブルが起きた時には、再起動すると解決していましたが、それだけも当時はかなり感謝されていました。(あくまでも個人の経験です)
この他にも、「こんな知識があっても使えない?」と思っている以外な技能が、介護現場では役に立つことも多いです。
たとえば、「部活が吹奏楽部だった=レクリエーションでエース級の大活躍 ただし楽器は持ち込み」、「ネコやイヌなどペットを飼っていた=コミュニケーションで困ったときに大活躍(しかしなぜかネコ派とイヌ派に分かれる」など、いろいろあります。
それは、介護現場が「生活」という、「人それぞれバラエティー豊かなことを支えていくから」なのでしょう。