宮崎 哲弥【著】, 2006, 『新書365冊』 (朝日新書)
高校生の皆さんにお勧めの書籍を紹介する、という今回の企画で大変悩みました。
大学の教員として研究職についていますが、正直に言いますと、子どもの頃から本を読むのはあまり得意ではありませんでした。分厚い本を1冊全部読み切ったという経験はあまりありません。
短いものが好きなので(といいますか短いものなら何とか読めるので)、論文は読んでいます(論文というのは、分野にもよりますが、自分の専門分野では、長くても10ページ程度のものが多いです)。
というわけで、今回は「本を読むのが苦手な人へ」おすすめする本の紹介です。
この『新書365冊』の筆者は、TVなどメディアにもよく登場するので、よくご存じの方も多いかと思います。驚くべきことに、1日10冊以上の本を読むそうです。
その著者が、「ベストな新書」、「ベターな新書」、「ワーストの新書」を、様々な分野別(哲学、数学、政治、経済、法律、歴史、教育、社会、科学、脳・心・からだ、犯罪、生死、メディア、文化、宗教など)に365冊選定して、解説・評価をしてくれています。人を支援する介護や福祉、心理学などに関係する新書もたくさん紹介してくれています。
「新書」は、小さくて比較的薄い本なので、「本を読むのが苦手な人」でもとても読みやすく、おすすめです。
少し古い本で残念ながら、現在新品では手に入らないようですが、Amazonなどでは中古品として安く入手できます。本を読むのが苦手だけど、気になることや、興味のある分野がある人、もしくは進路に迷っている人には、まずこの『新書365冊』を読んで(興味があるところをざっと眺めて)、どんな本があるのか、気になる新書を探してみることをおすすめします。
(すでに自分で専攻している分野がある人も、この著者との意見の一致点や、相違点を、この本を通して考えてみると、とても面白いと思います)