日別アーカイブ: 2024/02/08

本学 松井欣也 先生「令和6年能登半島地震」への栄養士支援レポート

本学科の松井欣也 先生が「令和6年能登半島地震」の被災地へ栄養士として支援に参加してきました。

「はじめに」

 2024年1月1日午後4時10分頃に発生した石川県能登半島を震源とする地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

発災から一か月後の2月1日~2月5日、日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT;The Japan Dietetic Association Assistance Team)の大阪府代表として参加してきました。輪島市、珠洲市避難所の運営スタッフから3食の食事内容や炊き出しの頻度、不足している食材(栄養素)を聞き取りました。

「活動内容」

能登半島地震の避難所では、食事の栄養バランスの偏りが懸念されています。石川県珠洲市の避難所では、地震発生から1か月以上が過ぎた今も、カップ麺やレトルト食品を中心とした食事が続いています。ボランティアがみそ汁などの炊き出しを行なっていますが、週に1回程度です。

下水道が復旧していないため、カップ麺の汁を捨てずに飲み干す避難者がいると聞き、「お湯とスープの粉末を少なくしましょう」と助言。カップ麺や缶詰など塩分の多い食事が続くと、避難生活による精神的ストレスや生活リズムの乱れから、高血圧となり、脳卒中など命に関わる病気を招く恐れがあることをお伝えしました。

避難所によっては、食材の入手状況が違います。不足している栄養素があると判断した場合、玄米入りの麺やビタミン・ミネラル入りのゼリー、常温で長期保存可能な牛乳や野菜ジュースなどを運び入れました。

松井先生の留まった宿舎(七尾市)も断水しており水洗トイレが使えず、入浴も5日間の間出来ませでした。電気は使用できますが、電子レンジなど電力を使いすぎるとブレーカーが落ちてしまいます。普段の生活が出来ない不自由さを体験し、改めて水の大切さを感じる災害支援となりました。

全面的なインフラの完全復旧まで、相当な時間がかかると思われますが、被災地域の皆様におかれましては、くれぐれもお体ご自愛下さい。