包丁といえば、栄養士の大切な仕事道具の一つ。
堺打刃物伝統工芸士の味岡知行先生を講師にお招きし、この道50年以上の職業人としての姿勢を学ぶとともに、包丁の手入れの仕方を学びました。
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味岡先生
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先生が語る自らのキャリアを
真剣に聞き入る学生たち
社会人としてのスタートはサラリーマンだったものの、家業を継ぐべくこの道に入った味岡先生。
電車の設計技師として仕事をしていた時、学校で学んだ理論と仕事の実際の違いについて実感したとのこと。その一例として、「寸法公差」を挙げられました。
「寸法公差」とは、図面の寸法に対して許される誤差の範囲のこと。例えば、50mmという仕上がり寸法に対して、「49.9mm~50.1mm」の範囲で仕上げるといった幅(±0.1mm)を決めておくのです。なぜなら、金属部品を寸分の狂いもなく50mmで作るのは難しいからです。
家業を継いだ後は、堺打刃物職人としての道を歩むことになります。
父親の背中を見て修業していたものの、息子に腕前を超えられたと感じた父親が刃物職人としての引退を決意したのだそう。そのくだりをお話になった後、そっと目の縁の涙を拭われました。
今は長年に渡って培った技術を伝承するべく、弟子の育成に力を注いでいるそうです。
“人育て”の難しさ、そしてコツは、どの職業にでも共通することでしょう。
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包丁や研ぎに関するDVDを鑑賞
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包丁を砥石で研ぐ実演の様子
先生が出演しているDVDで包丁の歴史、研ぎ方について学んだあとは、いよいよ実習です!
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機械で包丁を研ぐ様子
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新聞紙がスーッと切れました!
味岡先生が研いで、お弟子さんが磨いてくださった包丁を、砥石で砥ぎました。すると、新聞紙がスーッと切る事ができるように!
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砥石の使い方を学ぶ学生
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爪に刃を当てて切れ味を確認
冨田先生や松井先生も一緒に、砥石の使い方や包丁の切れ味の確かめ方を教えてくださいました。
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機械で包丁を研いでいる様子
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研いだ後は磨いて錆び落とし
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研ぐ前(上)と研いだ後(下)
手を添えてもらいながら、学生も機械を用いた包丁研ぎ・磨き作業にチャレンジ!
こんなに錆びて刃こぼれしていた包丁が、見事に復活!
新品同様の輝きと切れ味を取り戻しました。
実際に、大根やキャベツを切ってみた学生から、「こんなにスーッと野菜が切れるなんてビックリ。切るのが楽しい!」と、感動の声が次々とあがりました。
多くの学生が自宅から切れ味の悪い包丁を持参し、見違えるように切れるようになった包丁を喜んで持ち帰りました。
2回に渡り、講義・実習をありがとうございました。