投稿者「YamashitaEmi」のアーカイブ

卒業後のキャリア -栄養士×中学校(家庭)教諭-

12/24(火)で年内の講義が終了し、年の瀬も押し迫ってまいりました。
今年度も様々な卒業生が卒業後のキャリアを後輩に向けて語ってくれましたが、現役の中学校(家庭)教諭として活躍している卒業生を招聘した回を振り返りたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・
11/28(木)3限目「社会人になるにはⅡ」(2年生)の講義に卒業生を招聘しました。

2013年3月に健康栄養学科(現:実践食物学科)を卒業した原田綾奈さん(大阪市内中学校勤務)をゲストスピーカーとしてお迎えし、中学校(家庭)教諭までの足跡や実際の仕事内容などについてお話を伺いました。

原田さんは、本学を卒業後に食育に力を入れている4年制大学に編入学しました。
2年間の更なる学びを経て、夢だった中学校(家庭)教諭の道に進み、現在に至ります。
2018年には見事大阪市の教員採用試験に合格!

原田さんは本学在学中に5つの資格(栄養士,栄養教諭,中学校(家庭)教諭,フードサイエンティスト,社会福祉主事任用資格)と124単位を取得して卒業しました。
編入学先の大学の卒業必須単位が126単位だったことからも、いかに多忙な2年間を本学で過ごしたかが良く伝わるエピソードですね!

「家庭科の先生は1人」という環境の中学校が多い中、「横のつながり」を大切にしているそうです。
研修会に積極的に参加し、学んだことをすぐに取り入れるよう心がけているとのこと。
今回作成してくださったスライドも、ユニバーサルデザインのフォント(UDデジタル教科書体NP-R)で作成されており、文字が読みやすいものでした。

現在中学3年生の学級担任を受け持っており、学級運営に日々奮闘している様子も話してくれました。
現場ならではのエピソードの数々に、後輩たちは大いに興味関心を寄せておりました。


授業後は、原田さんが学生時代学んだ懐かしい教室でインタビューを行いました。
中学校(家庭)教諭への熱い想いや夢など、様々な話題が広がり、楽しいインタビューとなりました。

「すべての生徒に家庭科を教えているので、どの卒業生が遊びに来ても顔がわかるのがうれしいですね」

そう笑顔で話す原田さんの様子に、中学校(家庭)教諭としてのやりがいや充実を感じました。

最後に、後輩からの質問すべてに丁寧に回答してくださったプリントも頂きました。見やすい文字でびっしりと書かれており、原田さんの優しくまじめな人柄が表れておりました。

原田さん、この度はお忙しい中ありがとうございました。

日本の食料事情と6次産業の展望と食育について学びました

実践食物学科1年生のキャリア教育科目「大学で学ぶⅡ」において、農林水産省 近畿農政局 地方参事官(大阪府担当)の松田様を講師にお迎えし、日本の食料事情と6次産業の展望と食育について学びました。

近畿農政局 地方参事官(大阪支局長)松田様

今回の講義内容は以下の通りです。

1.日本農業の情勢
2.日本の食料自給率
3.食品ロス
4.農業の6次産業化と地産地消
5.食育
6.その他の話題

食のプロを目指す学生にとって、知っておきたい内容ばかりです。

栄養士は食材の「調理」を、製菓衛生師は菓子の「製造」を行います。

それらの食材は、農業生産者の手によって収穫されて市場に流通しています。
そのため、農業や食料に対する理解を深めることは、食に携わる専門職にとって非常に大切なことです。

日本農業の情勢や食料自給率等の推移、食品ロス問題など日本の食料事情について理解を深めました。
また、食料自給率・食料自給力の維持・向上のためにできることなども、今回の講義内容を踏まえて各自で考えるレポート課題にも取り組んで頂きました。
そして、地産地消や食育など、普段の授業でおなじみの内容も、日本の農業の発展にどのように繋がっているのか、改めて考える良い機会となりました。

また、学科の講義で中々耳にする機会のないワードも。
スマート農業、SDGs、6次産業化、CSF ――。
社会でホットなトピックも教わりました。

松田様の結びの言葉にあったように、今年の年末年始は食品ロスの削減を意識して食事を楽しんでくださいね!

近畿農政局の皆さま方、貴重なお話をありがとうございました。

実践食物学科におけるキャリア教育のご紹介

実践食物学科では、年間を通じてさまざまなキャリア教育を行っております。
今回はその一部をご紹介いたします。

先日、1年生を対象に、「エントリーシート対策講座」が開催されました。
就職活動を行うにあたって、履歴書やエントリーシートの提出は避けては通れません。

学生時代に力を入れたこと…いわゆる「ガクチカ」を今のうちから意識する必要があることも教わりました。履歴書やエントリーシート、ひいては面接で困らないよう、今から一つでも多くの「ガクチカ」を見つけましょう!

一方、実践食物学科2年生を対象に、金融セミナーを開催しました。
某金融会社から講師をお招きし、社会人にとって大切な「お金」について考えてもらいました。
社会人になるうえで、クレジットやローンとの上手なお付き合いは欠かせません。
賢くお付き合いして、自分の夢を叶えるために上手に活用しましょう。

1年生さんは就職活動に向けて、2年生さんは社会人に向けて、良いスタートを切ってくださいね!

「くろまろ秋の大収穫祭」に出店しました!

11/23(土・祝)~11/24(日)、奥河内くろまろの郷にて開催された「くろまろ秋の大収穫祭」に実践食物学科が出店しました!

プロジェクトは今年の春からスタート。
河内長野の特産品「バターナッツカボチャ」を活用した2品のレシピを、この大収穫祭のために開発しました。

バターナッツは、重さ約1kgの、ひょうたん型をした甘みとナッツの風味を持つカボチャ。
上部の果肉はやや水っぽく、膨らんだ下部に種があります。
ポタージュやオーブン焼きで食されることの多いかぼちゃですが、他の料理に活用しようと、栄養士コースの山下ゼミと製菓衛生師コースでレシピ開発に取り組んできました。

栄養士コースは「バターナッツカボチャコロッケ」を、製菓衛生師コースは「バターナッツカボチャの焼きドーナツ」を考案。何度も試作を重ねた末、2品のレシピが完成しました!

試作の焦点は材料の配合。
コロッケのアイデアは初期に出たものの、果肉の汁気が多いため、生地の成形に苦労しました。
最初の試作品はバターナッツ100%のコロッケでした。
そのレシピを改良し、ジャガイモを加えることで成形のしやすさと味の良さが向上!
バターナッツ特有の鮮やかなオレンジ色と甘みを活かした料理に仕上がりました。

大収穫際当日。両日とも天候に恵まれ、会場は大盛況!
音楽、飲食、販売、体験など30以上のブースが出店し、会場は大いに賑わいました。

実践食物学科は、栄養士コースの学生が中心となり、屋台で揚げたてのコロッケを提供。
大学のTwitterを見て来てくれた先生方や卒業生の姿もありました。

店頭でコロッケが揚がるたびに注文が入り、コロッケの提供が追いつかない場面も!
バターナッツコロッケの売れ行きが好調だったことから,地産地消レストランでの提供も決定しました!

焼きドーナツも売れ行き好調で,お土産品として買い求めるお客様が訪れました。
「珍しくておいしそう! 職場に買っていきます」という声も。
こちらは,期間限定でくろまろの郷で購入することが可能です♪(1個120円)

このたびは柏本施設長,矢守副施設長に大変お世話になりました。
貴重な機会をありがとうございました。

「WFPチャリティーエッセイコンテスト2019」で蘇 鑫さんが18歳部門賞受賞!!

蘇 鑫さん(実践食物学科 栄養士コース 2年次)が、「WFPチャリティーエッセイコンテス2019」において「18歳以上部門賞」を受賞しました!

受賞作品のタイトルは日本へ留学する前に食べた親と最後のご飯

2019年10月15日(火)14時、コードヤード・マリオット銀座東武ホテルにて授賞式が開催されました。応募総数は過去最高の2万1,422通で、蘇さんのエッセイはその中から選出されました。

本エッセイコンテストのテーマは「私のとっておきごはん」。

応募1作品につき途上国での給食1日分にあたる30円が寄付される仕組みとなっており、今回は合計257万640円が4社の企業(昭和産業株式会社、トヨタ自動車株式会社、日清食品ホールディングス株式会社、三菱商事株式会社)から寄付されました。

これにより、約8万5,600人の子どもたちに学校給食を届けることができます。
どの入賞作品も、相手へあるいは相手からの思いやりに満ち溢れた素晴らしいものばかりでした。

来賓の方々や審査員の方々からの、受賞者に向けたコメントもまた、非常に温かなものでした。

蘇さんのエッセイを選出して下さった、国連WFP協会顧問のオテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフの三國清三様より、このようなコメントを賜りました。

「僕も外国生活が長く、よく夜に刺身、みそ汁を一人で作って日本を思い出していました。彼も心細い日本での一人暮らし。そして母親から直接教わった、卵とトマトの料理。卵とトマトは、世界中どこの国でも手に入る食材で、お母さんはそれを知っていてこの食材を選んだと思います。味には基本味があって、『甘味、酸味、塩味、苦味、うま味』の五味があります。それをもクリアーしていて、お母さんの深い愛情を感じます。彼も母親を身近に感じることができ、とても素晴らしい母心に感動しました。」

──基本味が感じられるエッセイ。

基本味とは、味覚の基本となる要素であり、他の基本的な味を組み合わせて作ることができない味(出典:化学同人社「食感をめぐるサイエンス」用語解説p.303)です。
食のプロの一職種である栄養士を目指す蘇さんにとって、最高の褒め言葉ではないでしょうか。

ジャポニゼ」という独自の料理哲学を追求し、料理界の文化発展ばかりか、子どもの食育から復興支援活動「子どもたちに笑顔を!」笑顔プロジェクトまで、幅広い食の分野で活躍しているフランス料理の一流シェフから栄養士の卵に与えられたこの度の栄誉は、必ずや今後の人生の糧になることでしょう。

ここ東大阪大学短期大学部が位置する東大阪市では「ラグビーワールドカップ2019」が開催されております。公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会顧問に就任し、「おもてなしの心構え」の講師を務められた三國シェフに蘇さんのエッセイが選出されたことに、何かのご縁を感じずにはいられません。

他の受賞作品も、どれも素晴らしいものばかりでしたので、ぜひ読んでみてください。
入賞作品発表ページ:https://www.wfpessay.jp/2019/result.html

10月16日は世界食糧デー。
途上国等での栄養失調や飢餓について考える日です。
「学校で無料の給食が食べられるから親が子どもたちを学校に通わせる」
──いかに、途上国の子どもたちにとって学校給食が大切か。
学校給食が命綱である子どもたちに向けて、エッセイの応募で支援しませんか・・・?

なお、本学は本エッセイコンテストに2014年から参加させて頂いており、今年で6年目になります。自らの体験を綴ったエッセイが途上国の子どもたちの生きる糧、つまり「学校給食」となる大変素晴らしいコンテストです。インターネット応募も可能なため、通学・通勤電車の中からスマートフォンでエッセイを送ることだってできます(ただし応募可能期間に限る;200字から800字まで)。

参加することで世界の子どもたちの食と栄養に思いを馳せ、食物栄養の分野で「人」の「健康」にかかわって社会で活躍する意識を高めるのが目的であり、本学卒業後もぜひ積極的に参加して欲しいという思いも、教員の中にあります。
「持続可能な開発目標」(SDGs)の実現を目指して、各国の様々な分野で取り組みが行われておりますが、本エッセイコンテストもその流れに与するものと捉えております。子どもたちの貧困が世界的な問題である現状を鑑み、「誰もが参加できる食のボランティア」として、今後も積極的に参加していきます。

途上国の子どもたちに給食を届ける素晴らしい取り組みを推進しており、学生とともに参画する機会を与えて下さった、認定NPO法人 国連WFP協会の皆様方、協賛・後援・協力企業の皆様方に改めて感謝の意を申し上げます。