教員紹介③

後10日で元旦、いよいよ今年もあと少しとなりました

今年最後の教員紹介はブログ担当こと私、横田詩織がお送りします。ええ、ひとり芝居ですとも……

いらすとやさんからお借りした今回のイメージ。シュールさがとどまるところを知りませんね……。

Q. 何を研究していますか?

横田:民話、特にグリム兄弟が収集・編纂したものを研究しています

Q. グリム兄弟といえば『グリム童話』でおなじみですね。具体的にどんな研究なんですか?

横田:例えば、ある文献には「牛乳魔女」なんてものが出てきます。他の家で飼っている牛の乳を、魔法を使ってこっそり盗んでしまう魔女です

実際、お隣の奥さんはこの牛乳魔女だ!と訴えた人の記録が残っています。
詳細を省いてざっくりまとめてしまうと、「村の外から嫁いできた『よそ者』が自分より牛の世話が上手なのを妬んだ」ことが背景にありました。何かズルをしているに違いない、きっと魔女だからだ……と、そう考えたんですね

こんな風に、昔の人は説明のつかないことやものを悪魔や妖怪のせいにすることがありました。私がしているのはこの逆。悪魔や妖怪のお話をもとに、じゃあ実際はどんな出来事が彼らのせいにされてしまったのかな?と考えるのです

Q. 日本でイメージされる魔女よりかなりしょうもない魔法ですね!?
では、東大阪大学ではどんな授業を?

横田:いえ、畜産農家にとって、牛乳を盗まれるというのはかなり許し難い犯罪です。農家にとっての生命線ですからね。

担当しているのは、主に英語関係の授業です

Q. 例えばどんな?

横田:1,2年生対象の基礎専門英語II,IVや教職専門科目でもある英書講読などです。あと、オムニバス形式の国際子ども文化研究ではヨーロッパ・アフリカ地域を担当しています

Q. オススメの授業はなんでしょう?

横田:「国際子ども文化研究」は、自分ではなかなか手を伸ばさない地域の子どもに関わる問題をざっくり知ることができるかな? と思います。3年生対象ですので、卒業研究のテーマ探しも兼ねて参加してみても面白いかもしれません

Q. さて、そろそろ一人二役も(メンタル的に)厳しくなってきましたが、あと一息です。
今まで読んだ//見た中で、一番好きな本、マンガ、映像作品を教えてください

横田:本なら、辻村深月の『ぼくのメジャースプーン』、映像なら『英国王のスピーチ』が好きです

Q. その作品をひと言で表すとしたら?

横田:自分で設定しておきながらこの質問難しくないですか? 好きな作品をひと言で表現できるわけないじゃないですか?????
あえて言うなら、どちらも主人公の隣で一緒に悩み、考えていく作品だと思います。それくらい、感情の機微が丁寧に描写されていますね

Q. では、誰かに何かをオススメするならコレ!というものはなんでしょう

横田:インド映画の『マダム・イン・ニューヨーク』はオススメです。英語が一切できない中年の主婦がいきなりニューヨークに行くことになるお話なんですが、これも主人公と一緒に悩み、考えてほしい作品ですね

Q. 今までで一番の思い出はなんでしょう?

横田:初めて親元を離れ、ひとり暮らしを始めた夜の解放感と興奮、不安がないまぜになった感覚は忘れられないです。今ではすっかり気楽なひとり暮らしを満喫していますが

メガネくらいしか似ているところがない自画像

ブログ担当、一人二役のせいかいつもよりテンション低めでお送りしました

次回の教員紹介は年明け頃を予定しています。お楽しみに!

人の夢を壊すのが仕事です

長沢まさみさん主演の「コンフィデンスマン」ってドラマや映画を知ってますか?下は、第6話「古代遺跡編」の一場面です。

フジテレビ公式サイトhttps://www.fujitv.co.jp/confidenceman_jp/story/story06.html

長沢まさみさんが、なにか巻物をみていますよね?ドラマでは、ここに書かれている文字も出ています。
その文字は、日本に古代存在したとされる「神代文字」といいます。

日本の古代にそんな文字はありません。近世に作られた嘘の文字ですが、いまだに古代の文字だと信じている人がたくさんいます。

こういう不思議な文字は、日本だけにあるわけではないんです。

「ヴォイニッチ写本」って知ってますか?これも、解読できない文字で存在しない動物や植物が書かれているんです。

海外ドラマ「エレメンタリー ホームズ&ワトソン」では、ホームズが暇つぶしとして、「ヴォイニッチ写本」を解読しようとしています。
ホームズでも解けないなんて、宇宙人の忘れ物なのかもしれません。

そんなみなさんの夢やロマンを打ち砕く本がこちら、amazonでベストセラーになっている『ユリイカ』「世界の偽書」特集(2020年12月号)です。

研究者が本気でみなさんの夢を潰しにかかっています。私もその一人として書いています。

さらに、読売新聞12月2日の夕刊でも、夢を壊しております。

これは、怪しい本の研究の世界では神様みたいな存在である原田実先生からいただいたばかりの本です。コロナ渦のいまにぴったりですよね。

超古代史とありますが、超古代史といわれる本に神代文字が使われています。

文字が嘘だから、内容も嘘ばかりかというと違うんです。ここには、実際にあった災害や疫病についても書かれているんです。

実際にあったことも書かれているから、「予言書だ!」と信じちゃう人もいるんですよね。きっとなんでも疑う私と違って素直なんだなと思います(^_^)

遠隔授業と自動採点

大阪府内の新型コロナウィルス感染者がかなり増えてきたので、残念ながら東大阪大学も2020年12月3日から年末まで対面授業が遠隔授業になりました。

実は、夏休み前から「11月頃に感染者数の大きな波が来るだろう」と予測していまして、この予測をもとに後期授業の順序入れ替えなどの準備をしておくよう、副学長から全教員へ指令が出ておりました。

私が担当するいくつかの科目では、授業内容の自動採点化を進めています。先日、200ページほどある教科書を丸1冊自動採点化し終え、別の教科書にも手を付けています。学生は、自動採点化された問題にオンラインで何度も挑戦することで、自分の理解度をすぐに確認することができます。

もちろん、教員が手動で採点しないと理解度が測れない課題もあるので、なんでもかんでも自動採点化するわけにはいかないのですが、自動採点型の問題は学生の集中力の維持にかなり役立つことが経験的に分かっているので、今後も可能な範囲で自動採点化を進めていく予定です。

また、逆求人サイトを軸にした就職活動支援も今後本格化させようと考えていますが、こちらの話は別の機会に。

授業紹介③-「日本芸術入門」

皆さんこんにちは。
東大阪大学一年生オバイエアドです。

私は大学で日本芸術文化という授業をとっています。この授業では日本文化、芸術などのことを勉強します。授業の勉強だけではなく、見学にも行きますのでとても楽しいです。

先週は中之島香雪美術館に見学に行って来ました。
この動画では、行き方、見たもの、感想など話します。最後までご覧ください。

中之島香雪美術館は中之島フェスティバルタワー・ウエストの4Fに2018年にオープンした新しい美術館です。現在行われているのは「聖徳太子 ―時空をつなぐものがたり―」展です。

来年、聖徳太子没後1400年の記念事業を前に、香雪美術館が所有する少年時代の聖徳太子像と聖徳太子の生涯の物語を描いた聖徳太子絵伝の大々的な修理が行われました。

この展覧会では聖徳太子に関するさまざまな美術・工芸品とともに、古い絵画の保存修復の過程が紹介されています。

中之島香雪美術館ではこのような企画展の他に、本館となる神戸市灘区の香雪美術館を設立した朝日新聞の創始者村山龍平に関する常設展示があります。

明治時代に建てられた小さな新聞社の社屋から、高層ビル群の中にそびえる現在の中之島ツインタワーに至るまでの歴史が写真とともに紹介されています。

香雪美術館のお茶室「玄庵」と全く同じお茶室が、高層ビルの美術館の内部で再現されているのも見どころの一つです。お茶室の背景はCGで季節の移り変わりと時間の経過が表され、まるで自然の中に身をおいているような気持ちになります。

教員紹介②

今年もあと36日。お正月にたてた今年の目標はどのくらい達成できたでしょうか。

光陰矢の如し、月日の経つのは早いもので、今月もやってまいりました、教員紹介のお時間です。

厳正なる抽選(※ブログ担当によるあみだくじ)にて選ばれた2番手は、先日のアジアこども研修では大変お世話になりました、石川 高行先生です!

今回も「いらすとや」さんにお世話になります!

Q.石川先生は何を研究されているのでしょう?

石川先生(以下石川):情報教育、及びコンピュータを活用した教育です

Q.コロナ禍の今年、特に注目され、ニュースなどでも取り上げられた分野ですね!
 とはいえ、具体的にはどんな研究なんでしょうか

石川:1つは、何人もの人が同時にアクセスするシステムを学生が作れるようになるための教育です。また、人間の考え方がどのように成長するか、ということも研究しています。

もう1つは、コンピュータを利用した学習管理の仕組みを用いて色々な成果を出すことです。例えば、前にいた大学では、この仕組みを用いて大学生の就職率を大幅に改善したりしました。

Q.就職率アップ!? これは学生たちにとってもお得情報なのでは……!?
 では、東大阪大学ではどの授業を担当されているんでしょう?

石川:情報関係の授業と、教育学関係の授業と、半々です。

Q.それは、例えばどんな内容の授業なのでしょう

石川:例えば、「グローバル教育」という授業では、異文化理解のために一切喋らずに意思疎通をする単元があります。
殆どの出席学生は途中で笑いがこらえられなくなるのですが…すみません、ネタバレすると授業効果が低くなるので、ここでは書けません。

Q.っく、気になります……! が、ネタバレは時に血で血を洗う争いの火種になりかねませんから、これは授業を受けてからのお楽しみですね……
では、やはりオススメの担当授業も?

石川:上記の「グローバル教育」がそうですが、この授業は学生が予習しない (復習しかしない) ことで成立しているので、理由は秘密とさせて下さい

Q.ネタバレ厳禁!ですね
さて、ここからは前回同様、少し個人的な質問をさせていただきます

今まで読んだ//見た中で、一番好きな本、マンガ、映像作品を教えてください

石川:正統派なら『3月のライオン』、ギャグ系なら『たいようのマキバオー』です

Q.マキバオー! 懐かしい! 小学校運動会、徒競走の時の定番BGMでした!
その2作品をひと言で表すとしたら?

石川:2作品どちらも、人間 (や馬) の在り方を深く考えさせてくれます。特に『たいようのマキバオー』は下品なだけのギャグ漫画に見えますが、絵柄に騙されてはいけません。

Q.では、誰かに何かをオススメするならコレ!というものはなんでしょう

石川:学生にオススメするなら、「留学」です。どの国でもいいです。2週間などの短期留学でもいいです。世界の見え方が変わります。

Q.留学でカルチャーショックを受けたり、逆にあれ、案外〇〇じゃないんだな、とがっかりしたりするのもまた、良い経験ですよね(※ブログ担当個人の感想です)
さて、次で最後の質問です。今までで一番の思い出を教えてください!

石川:夜眠る直前に、プログラミングの良い教え方を思いついたことです。思いついたことを大量に紙に書き出し、その日は興奮してなかなか眠れませんでした。

石川先生自画像
こ、これはアルチンボルト・リスペクトな自画像……!?

いわゆる「おりてきた」現象ですね! うらやましい……!

そして今回もブログ担当、無茶ぶりをして自画像を作成していただきました。石川先生、もしやジュゼッペ・アルチンボルトのファンだったり……? ※未確認情報

石川先生、ご協力ありがとうございました!

研修旅行④:エコツーリズムデザイン研究所

先週土曜日、アジアこども学研修は無事終了しました。

3日目に訪問した「エコツーリズムデザイン研究所」さまでは、過剰な観光地化による生態系の破壊をどう防ぐのか、開発と環境保護のバランスについて話し合いました。

未開発の海岸で見られる生物の多様さに触れ、

潮が引いた海岸で生き物の観察
見たこともない生き物たちに興味津々です

自分たちが取り組める身近な活動について、2グループに分かれて話し合いました

既存の技術をどう使えば…と頭を悩ませ中

今回の研修旅行のメインテーマであるSDGs、様々な取り組みをされている方々と出会い、その活動を知ることで、研修前とは少し考えに変化がでてきた人も……?

研修旅行③:紅型体験、かりゆし水族館バックヤード見学

研修2日目は、まず1日目の三線に続き、沖縄の伝統工芸である紅型について学びます。

まず見本を参考に下地になる色を塗ります。
試される色彩センス……!

紅型は、戦争で一度途絶えた伝統文化です。

戦前、本土に贈られていた貴重な資料を元に、戦後製法を復活。それでも当時は貧しく、物資も乏しかったため、米兵の妻が捨てた口紅を拾って染料を作ったそうです。

染め方を教わりながら、紅型の歴史を学びます

さて、お昼からはDMMかりゆし水族館に移動します。

バックヤードに案内していただき、今回学ぶのは、水槽の水をどのように浄化、巡回させているのか。

DMMかりゆし水族館さまでは、大きく分けて2つの方法を取っているそうです

まずはこの巨大水槽
これだけでもかなりの水量です

巨大水槽を含む多くの水槽では、スポンジやアルカリ性の石で水を濾過し、不純物を取り除き、酸性に寄った水を中性に戻しています

サンゴの水槽
小さいタツノオトシゴが見えるでしょうか

そしてサンゴの水槽では、藻の働きによって水を浄化する方法があるそうです。

この透明度も、バックヤードにある藻が守っているのです

動物の保護、研究と同時に、展示による教育を担う水族館のSDGs。SDGsという取り組み自体の多様性に触れる研修はまだ続きます

研修旅行②:ひめゆりの塔・ロワジールホテル那覇

研修旅行1日目は、ひめゆりの塔に参拝し、宿泊先のロワジールホテル那覇さまで実践されているSDGsの取り組みについてもうかがいました。

ひめゆりの塔へ参拝したのは正午をいくらか過ぎた日差しの強い時間帯。ガイドの方から沖縄戦についての話をうかがい、犠牲になった人々に祈りを捧げました。

ぽっかりと開いたガマの入り口を、神妙な面持ちで見つめます。

そして、1日目の終わりに、宿泊先であるロワジールホテル那覇さまの取り組みを紹介していただきます。

ご協力いただいたロワジールホテル那覇さまです

まずは夕食をいただき、

200人以上のスタッフを抱えるロワジールホテル那覇さまが現在行っている取り組みを教わり、

「自分たちがこのホテルのレストランスタッフだったら」どういう取り組みができるか、グループでディスカッションしました。

代金の半額分を寄付または次回の食事チケットに交換できるメニューの作成など、お互いの意見を聞いて、さらに自分の考えを見直す良い機会になりました。

研修旅行①:おきなわ世界塾、沖縄県三線製作事業協同組合訪問

新型コロナ感染対策を徹底しながら、現在アジアこども学科二年生は沖縄に研修旅行に来ています。

さて、研修1日目は、「おきなわ世界塾」さまのプログラムに参加しました。

まず訪問したのは「沖縄県三線製作事業協同組合」さま。中国から渡来し、やがて琉球王国の士族、そして今では沖縄中で愛される伝統的な楽器、三線。その技と精神を次世代へと受け継いでいくため活動されています。

まず、三線の歴史、構造など基本的なことを教えていただきます。
「胴」と呼ばれる部分に貼るニシキヘビの皮に興味津々。 インドネシアなどから年間1000枚ほど沖縄に輸入されているそうです。

そして、実際に三線を触らせてもらい、演奏の指導もしていただきました。


真剣です……!

沖縄県三線製作協同組合さまでは、伝統を守りながら、伝統的な材料(黒檀の竿、ニシキヘビの皮の胴、絹糸の弦)が手に入れ難くなっている現在、持続可能な伝統の守り方として、代替素材も活用されているそうです。

講師のおふた方(前列左並びに中央右)と一枚。 本当にありがとうございました!

そして、ここからは場所を移動して「おきなわ世界塾」さまによるワークショップです。

事前研修、つい先ほどの沖縄県三線製作協同組合さまでの研修を踏まえ、さらにSDGsについての考えを深めます。

まず、それぞれの故郷の自慢を話し合います。

ふせんにどんどん書いていきます
おきなわ世界塾の方からは、沖縄のお墓を自慢していただきました

それぞれの「自慢」、それがいわゆる「伝統」や「文化」です。では、それらが世界からなくなってしまったとしたら……?

「人間らしく生きることができない」「ロボットみたいな生活」「他の国の人に自分の国の美味しいものが伝えられない」……全体的に暗い世界を想像する学生たちに、おきなわ世界塾上原さんは、「どんな世界を作っていきたいか」と問いかけます。

守ろう、と意識したことがないものも、なくなってしまったらと考えると……

なぜSDGs(持続可能な開発目標)に取り組むのか。それぞれで考えを深めるよい機会になりました。

授業紹介②―「国際協力」

月曜日の国際協力演習の授業では、社会抱えるさまざまな問題をどのように解決するのかをみんなで考えます。
後期の授業では3回にわたって「どんな社会をつくりたいか?」をテーマにしたワークショップに取り組みました。

多国籍のメンバーでグループワークをします。
このグループは授業のベルが鳴ってもワークをやり続け、一番の力作ができました。

最初は全員で、それぞれがピンク色の付箋紙に

・「今この世にあったらいいもの」
・「100年後もこの世に残っていてほしいもの」

青色の付箋紙に

・「今この世からなくなったらいいもの」
・「100年後にはなくなってほしいもの」

を書きだしていきます。

次に、幾つかのグループに分かれて自分たちが書いた内容を互いに説明しながら、似ている内容のものを集めて紙の上に貼り、タイトルをつけて整理していきます。

あったらいいもの、なかったらいいもの。 両方おなじぐらいたくさんの意見がでています。

さらにみんなで意見を出した内容をSDGsの課題と結びつけて考えました。

最後に自分が解決したい問題をひとつだけ選び、同じ意見を持つ人どうしで新たなグループに分かれます。
その問題を解決する方法について意見を出し合い、
どれが一番有効的な方法なのか表に書き出し、一つ一つ比べて議論をしました。

この授業ではこのようなワークショップを通じて、私達を取り巻く社会が抱える問題を考えています。